副業用デスク環境の作り方|最初に決めるのは机ではなく立ち上げ時間

副業用デスク環境の作り方|最初に決めるのは机ではなく立ち上げ時間 デスク環境

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副業を始めたので、作業環境を整えようと思って検索した。そうしたら出てきたのは「余っている部屋を書斎にしましょう」。

部屋が余っているなら、こんなことで悩んでいません。

「副業 デスク環境」で調べると、返ってくるのはほとんどが在宅勤務の記事です。中には注文住宅の記事まで混ざっています。悪い記事ではないのですが、前提にしている条件が副業とはまるで違います

在宅勤務は、平日の昼間に8時間続けて座ります。会社が机や椅子の補助を出すこともあります。副業はそうではありません。夜に90分、朝に60分。使えるのは家族と共有している部屋の一角。しかも本業の書類とAmazonの段ボールと副業の機材が同じ机の上にあります。

制約が違えば、正解も違います。この記事では、副業ならではの制約からしか出てこない結論だけを書きます。

副業のデスク環境は、在宅勤務とは制約が3つ違う

まず、何が違うのかをはっきりさせます。

在宅勤務 副業
時間 平日の昼間に8時間続けて 夜や朝に60〜90分の細切れ
空間 専用スペースを確保しやすい 専用の部屋はない。本業と同じ机のことも
仕事の物だけを置けばいい 本業の物・私物・副業の物が混ざる

在宅勤務向けの記事をそのまま真似すると失敗するのは、この3つを踏まえていないからです。ひとつずつ見ていきます。

制約1|時間が細切れだから、立ち上げ時間で決まる

副業のデスク環境で最初に決めるべきなのは、机ではありません。立ち上げ時間です。

「立ち上げ時間」とは、椅子に座ってから実際に手が動き出すまでにかかる時間のことです。机を出す、パソコンを持ってくる、資料を広げる、前回どこまでやったか思い出す。ここにかかる時間を、まず決めます。

90分の副業で5分の出し入れは、5%以上の損失

仮に、副業に使える時間が1回90分だとします。ここで毎回5分かけて机を出し、終わりに5分かけてしまうとどうなるか。

10分です。90分のうち10分。1割以上が、作業ではないものに消えます

(この数字は「90分・出し入れ5分ずつ」という、ここで置いた前提から計算しただけのものです。あなたの数字を当てはめてみてください。)

ただ、本当のコストは時間ではありません。「面倒だからやらない日」が生まれることです。

在宅勤務なら、面倒でも始めます。仕事だからです。副業は違います。誰にも怒られません。今日は疲れているし、机を出すのも億劫だし、明日でいいか——これが2回続くと、3回目はもっと簡単に飛びます。副業が続かない理由の何割かは、意志ではなく立ち上げ時間にあります。

だから第一候補は「出しっぱなしにできる小さい机」

ここから導かれる結論は、上位記事とは逆になります。

副業デスクの第一候補は、狭くてもいいから “出しっぱなしにできる机” です。

幅が広いことより、開いた資料を閉じずに寝られることのほうが効きます。昨日の続きが昨日のまま置いてあれば、座った瞬間に手が動きます。立ち上げ時間がほぼゼロになるからです。

多くの記事が「省スペース=折りたたみ」と書いていますが、副業の文脈では、たためることは必ずしも長所になりません。たためる机は、たたむ手間とセットです。

それでも置けないなら折りたたみ

とはいえ、現実には「出しっぱなしにできる場所などない」という人のほうが多いはずです。その場合は折りたたみが選択肢になります。

幅80×奥行53cmと、幅70×奥行44cmの2サイズから選べるタイプです。高さは75cm。奥行53cmあれば、ノートパソコンの手前にA4の紙を置く余裕があります。

ただし、使い方にひとつ提案があります。「毎回たたむ」運用にはしないでください。

折りたたみデスクを買う人の多くは、使うたびに出してしまう前提で選びます。でもここまで書いたとおり、それをやると立ち上げ時間が毎回発生します。

そうではなく、本業の机とは別に、副業の机をもう1台立てておくために使う。たたむのは来客のときや、どうしても部屋を広く使いたいときだけ。そう割り切ると、折りたたみの「省スペース」という長所を、立ち上げ時間を犠牲にせずに使えます。

たたまずに「寄せる」という選択肢

もうひとつ、たたまずに済ませる方法があります。キャスターです。

幅80cmでキャスターが付いたタイプです。折りたたむこともできますが、たたまずに部屋の隅へ転がして寄せるだけなら、机の上のものを片付ける必要がありません。立ち上げ時間はほぼゼロのまま、部屋は片付きます。

「しまう」と「寄せる」は違います。副業に向いているのは後者です。

制約2|専用の部屋はない。だから「作る」より「切り替える」

2つめの制約は空間です。

在宅勤務の記事は「ワークスペースを作る」と書きます。副業では、作れないことのほうが多い。だから発想を変えます。作るのではなく、切り替える

同じ机で本業も副業もやる場合

机を分けられないなら、モードを分けます。合図はひとつで足ります。

  • 本業のノートパソコンを閉じて、視界から外す
  • 副業用のマグカップに替える
  • デスクマットを裏返す

どれでもかまいません。大事なのは、毎回同じことをすることと、1つに絞ることです。儀式を3つも作ると、それ自体が立ち上げ時間になります。

「そんな気休めで切り替わるのか」と思われるかもしれませんが、副業では通勤がありません。本業には通勤という切り替えの工程がありましたが、副業には最初から何もない。だから、小さくても代わりを1つ置いておく意味があります。

リビングしかない場合/机の置き場所がない場合

家族と共有しているリビングしかない、そもそも机を置く隙間がない、という制約はさらに手前の問題です。これは副業に限らない話なので、それぞれ専用の考え方があります。

なお、机の寸法をどう決めるかについては、奥行きから逆算する方法があります。ここでは「奥行53cmあればA4が置ける」という実例だけ挙げましたが、自分の使い方に合う寸法の出し方は別に整理しています。

制約3|本業・私物・副業が混ざる

3つめは、物の混在です。ここは副業に固有の問題で、しかも単なる散らかりでは済まない部分を含みます。

物理的に分ける。引き出し1段でいい

副業の物と本業の物が同じ場所にあると、探す時間が増えます。それだけではなく、「どこまでが副業か」の意識も曖昧になります。

分け方は大げさでなくてかまいません。引き出し1段、あるいは箱ひとつ。副業の機材・書類・レシートはそこにしか置かない。それだけで、経費の整理も年末に泣かずに済みます。

会社のパソコンで副業をやってはいけない

これは整理整頓の話ではなく、やってはいけないことの話です。

会社から貸与されたパソコンで副業の作業をするのは、就業規則にも情報管理の面にも触れる可能性があります。「ちょっとメールを書くだけ」でも同じです。会社の資産を私的な収益活動に使っている状態になります。

ここは人によって事情が違い、判断基準もひとつではありません。分けるべきかどうか、分けるとしてどう運用するかは、それだけで別の話になります。本記事の立場としては「物理的に分ける」までにしておきます。

モニターは1台を共用できる

とはいえ、パソコンを2台にすると机の上が破綻します。ここで効くのが、本体は分けて、モニターは共用するという考え方です。

画面はひとつのまま、入力を切り替えれば、机を広げずに2台体制が組めます。副業のデスク環境で費用対効果がいちばん高いのは、たいていここです。

何から買うか迷ったら

ここまでの話は、順番としてはこうなります。

  1. 立ち上げ時間を決める(費用ゼロ・いちばん効く)
  2. 切り替えの合図を1つ作る(費用ゼロ)
  3. 副業の物の置き場を1段作る(費用ゼロ〜数百円)
  4. 机を足すなら「出しっぱなし > 寄せる > たたむ」の順で検討する

1から3まではお金がかかりません。そして、この3つを飛ばして机だけ買うと、たいてい「買ったのに使っていない机」になります。

予算を先に決めて一気に整えたい場合は、金額によって優先順位が変わります。環境全体をどの順番で変えるかにも、別の考え方があります。

まとめ|机より先に、立ち上げ時間を決める

副業のデスク環境は、在宅勤務とは制約が3つ違います。

  • 時間が細切れ → だから立ち上げ時間がすべてを決める
  • 専用の部屋がない → だから「作る」のではなく「切り替える」
  • 本業・私物・副業が混ざる → だから物理的に分ける(会社のパソコンは特に)

そして、いちばん言いたいのはここです。副業デスクの第一候補は、狭くても出しっぱなしにできる机。折りたたみは、置けない場合のセカンドベストです。買うとしても「毎回たたむ」運用にはせず、副業の机を立てておくために使ってください。

副業が続かないのは、たいてい意志の問題ではありません。座ってから手が動くまでが長すぎるだけです。

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