在宅ワークの電気代を抑える方法|冷暖房・PC・照明を効く順に見直す

20260720_電気代 在宅ワーク術

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在宅ワークの電気代を抑える方法|冷暖房・PC・照明を効く順に見直す

在宅で働くようになってから電気代が上がった、という話はよく聞きます。一日中家にいれば、エアコンも照明もパソコンも動き続けるので、増えるのは仕組みとして自然なことです。

ただ、抑えようとすると、つい細かいところから手を付けてしまいます。使っていない部屋の照明を消す、プラグを抜く——どれも無駄ではありませんが、在宅ワークの電気の使い方でいちばん大きいのは冷暖房です。効かせたいなら、大きいところから順番に触るほうが手間に見合います。

この記事では、経済産業省 資源エネルギー庁が公表している省エネ行動ごとの年間省エネ量(kWh)を優先順位の物差しにして、冷暖房 → パソコンとモニター → 照明 → 待機電力の順に見直す手順を整理します。そのうえで、請求の内訳の読み方、会社の在宅勤務手当の確認先、そして自宅の機器を実際に測る方法まで扱います。

金額の目安はあえて書きません。単価は契約プランと時期で変わるため、公表されている省エネ量(kWh)と消費電力(W)のほうが、比べるときの物差しとして安定しているからです。

在宅ワークで増えた電気代は、どの機器から増えたのか

在宅ワークで増える分は、出勤していた時間帯に自宅で新しく動き出したものです。機器別に分けると、だいたい次の5つに収まります。

  • 冷暖房(エアコン):在宅の時間帯ずっと動く可能性があり、しかも1台あたりの消費電力が大きい。夏と冬は増加分の大半がここに寄ります。
  • パソコン:デスクトップとノートで消費電力が大きく違います。長時間動くので、設定の差が積み上がります。
  • モニター:ノートPC1台だけだった人が外部モニターを足すと、その分は純増です。画面が大きいほど、明るさの設定が効いてきます。
  • 照明:日中に部屋の照明をつける時間が増えます。1灯あたりは小さいものの、点灯時間が長くなりやすい。
  • 給湯・キッチンまわり:昼食を自宅で作る、飲み物を何度も温める、といった使い方の変化です。在宅ワーク固有ではありませんが、増加分としては混ざってきます。

このうち、設定や習慣を変えるだけで動かせるのは冷暖房・パソコン・モニター・照明の4つです。給湯やキッチンは機器の買い替えや生活の組み替えが絡むので、在宅ワークの見直しとしては後回しにするほうが現実的です。

デスクまわりの体感温度そのものを整えたい場合は、在宅ワークの寒さ・暑さ対策で扱っている順番と併せて考えると、冷暖房の設定を緩めやすくなります。

公式の公表値で見る、見直しの優先順位

どこから手を付けるかは、感覚ではなく公表値で決められます。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、省エネ行動ごとに試算条件と年間の省エネ量を明記しています。在宅ワークに関係するものを一枚に並べると、桁の違いが見えます。

見直す場所 省エネ行動 試算条件 年間の省エネ量(kWh)
照明 54W の白熱電球を 7.5W の電球形LEDランプに交換 年間 2,000 時間使用 93.00
照明 68W の蛍光灯器具を 34W のLED照明器具に交換 年間 2,000 時間使用 68.00
冷暖房 暖房の設定温度を 21℃ から 20℃ にする 外気温度 6℃・エアコン 2.2kW・9時間/日 53.08
冷暖房 暖房を1日1時間短縮する 設定温度 20℃ 40.73
冷暖房 フィルターの目詰まりを解消する(清掃) エアコン 2.2kW・目詰まり時との比較 31.95
パソコン デスクトップ型の利用時間を1日1時間短縮する 31.57
冷暖房 冷房の設定温度を 27℃ から 1℃ 上げる 外気温度 31℃・エアコン 2.2kW・9時間/日 30.24
画面 テレビ(50V型・液晶)の輝度を1割下げる 18.73
冷暖房 冷房を1日1時間短縮する 設定温度 28℃ 18.78
パソコン 電源オプションをモニタ電源オフからシステムスタンバイに変更(デスクトップ型) 3.25 時間/週・52 週 12.57
照明 34W のLED照明器具1灯の点灯を1日1時間短縮する 12.41
パソコン ノート型の利用時間を1日1時間短縮する 5.48
パソコン 電源オプションを同様に変更(ノート型) 3.25 時間/週・52 週 1.50

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト(空調・照明・エンターテイメント。2026-09-12 取得)

この表から読み取れることは2つあります。

ひとつめは、照明の置き換えは1回で効く一方、対象が白熱電球や古い蛍光灯器具に限られることです。すでにLEDなら、ここでの伸びしろはほとんど残っていません。

ふたつめは、冷暖房は設定温度を 1℃ 動かすだけで上位に来ることです。しかも毎年繰り返し効きます。表の暖房 21℃ → 20℃ は、54W の白熱電球1灯をLEDに替えるのの半分強にあたる値です。白熱電球が残っていない家庭なら、実質的にいちばん大きいのは冷暖房になります。

なお、この表の数値はいずれも試算条件つきの公表値です。部屋の広さ、断熱、機器の年式で結果は変わるので、順番を決める物差しとして使い、削減額の約束として読まないのが安全です。

エアコンの使い方で効く順番

冷暖房が最大だとわかったら、次は触る順番です。お金がかからず効き方が大きい順に並べると、設定温度 → 風量と風向き → フィルター → 送風の補助 → 窓まわり、になります。

まず設定温度:室温の目安と設定温度は別のもの

環境省はクールビズで夏の室温 28℃ を、ウォームビズで冬の室温 20℃ を目安として示しています。ここで見落としやすいのが、28℃ はエアコンの設定温度ではなく室温の目安という点です。環境省自身、この違いを正しく理解している人が調査対象の一部にとどまっていたと説明しており、冷房の設定温度を 28℃ にしても室温が 28℃ になるとは限らないと明記しています。

つまり、やることは設定温度を目安の数字に合わせることではなく、室温を測って目安に近づけることです。安い温湿度計をデスクの高さに置くだけで、設定温度をいくつにすべきかが自分の部屋の条件で決まります。日当たりの良い部屋なら設定温度は目安より高くても室温が下がらず、北向きの部屋なら逆になります。

ウォームビズの 20℃ も同じく室温の目安であり、環境省は暖房の適切な使用を呼びかけるものだと注記しています。数字そのものを守るより、体調と部屋の条件を見て無理のない範囲に収めるほうが、記載の趣旨に沿います。

次に風量と風向き:体感温度で調整する

設定温度を動かすと寒い・暑いが出てきます。そこを埋めるのが風です。東京電力エナジーパートナーの公式解説は、大切なのは設定温度ではなく体感温度のコントロールだとして、次の調整を挙げています。

  • 冬の暖房は風向きを下向きに:暖かい空気は天井付近に上がるため、足元へ送る
  • 夏の冷房は風向きを水平に:冷たい空気は下に降りるため、遠くへ飛ばす
  • 温度ではなく風量を変える:設定温度を動かす前に風量で体感を調整する
  • ドアや窓の開閉を少なくする:出入りのたびに空気が入れ替わる

風量については、機種ごとの自動運転が室温に応じて強弱を切り替えます。手動で弱に固定すると設定温度に届くまでの時間が伸びることがあるため、まずは自動に任せ、そのうえで風向きを季節で変えるほうが手順として素直です。

フィルター清掃は月に1回か2回

資源エネルギー庁は、フィルター清掃の目安を月に1回か2回としています。目詰まりしたエアコンと清掃した場合の比較で、年間 31.95 kWh の省エネという公表値が示されています。表の中でも上位に入る値で、道具も追加費用も要りません。

あわせて、室外機の吹出口に物を置かないことも明記されています。室外機の前に置いた荷物や植木鉢が冷暖房の効果を下げるという説明で、これも作業時間ゼロで直せます。

エアコン内部(フィルターより奥)の洗浄については、資源エネルギー庁は知識のある事業者に依頼すれば性能を回復させて省エネになる可能性があるとしつつ、十分な知識がない人が内部洗浄を行うと故障の原因になることや、事業者とのトラブルが報告されていることにも触れています。自分でやる範囲はフィルターまで、と線を引いておくのが無難です。

送風の補助で設定を緩める

設定温度・風向き・フィルターを整えたうえで、それでも部屋にムラが残るなら送風の補助を足す段階です。サーキュレーターで空気を循環させると、冷たい空気や暖かい空気が部屋全体に回りやすくなり、結果として設定温度を無理なく緩められます。資源エネルギー庁も冷房時・暖房時の工夫として扇風機の併用を挙げており、東京電力エナジーパートナーの解説でもサーキュレーターで風を攪拌させる方法が示されています。

ここで紹介するものは上下 100° の手動角度調整と左右 70° の自動首振りを組み合わせるタイプで、電力は 26W(最小 7W)、運転音は最小 23dB・最大 50dB、対応畳数 24 畳、送風距離は最大 8m です。風量は 8 段階、DCモーターを採用しています。

見方としては、電気代を下げる道具ではなく、エアコンの設定を緩めるための道具です。26W の機器を足して 2.2kW クラスのエアコンの設定を 1℃ 緩められるなら、足し引きとして成立します。逆に、エアコンを止めてサーキュレーターだけで過ごす使い方は、この理屈から外れます。

会議中も回したままにしたい、寝室と兼用したいなど運転音を優先したい場合の見方は、静音サーキュレーターの選び方で扇風機との違いから整理しています。

窓とカーテンで熱の出入りを減らす

最後が窓です。資源エネルギー庁は、冷房時はレースのカーテンやすだれで日差しをカットし、外出時は昼間でもカーテンを閉めると効果的としています。暖房時は厚手のカーテンを使い、床まで届く長いカーテンのほうが効果的と明記されています。丈の足りないカーテンは、窓の下から冷気が落ちてくる経路を残してしまうためです。

東京電力エナジーパートナーの解説では、既存の窓をペアガラス(複層ガラス)や真空ガラスに変える方法も挙げられていますが、こちらは工事が伴います。賃貸なら、まずカーテンの丈と閉め方だけ見直すところまでで十分に手が入ります。

パソコンとモニターの省電力設定

冷暖房の次に触るのがパソコンとモニターです。ここは設定を1回変えれば以後ずっと効く種類の対策なので、優先順位は高くなります。

デスクトップとノートで効き方が違う

資源エネルギー庁の公表値では、利用時間を1日1時間短縮した場合の年間省エネ量はデスクトップ型で 31.57 kWh、ノート型で 5.48 kWh です。同じ行動でも6倍近い差があります。

電源オプションの見直し(モニタの電源をオフにする設定から、システムスタンバイに変える)でも、デスクトップ型 12.57 kWh、ノート型 1.50 kWh と開きがあります。

ここから言えるのは、デスクトップ機を使っている人ほど電源設定の見直しが効くということです。ノート1台で在宅ワークをしている人が同じ設定に時間をかけても、得られる差は小さくなります。自分がどちらなのかで、かける手間を決められます。

Windows の電源設定はどこにあるか

Windows 11 の場合、マイクロソフトのサポート情報では設定画面のパスは設定>システム>電源とバッテリーです。この中に次の項目があります。

  • 画面とスリープ:使っていない間に画面をオフにする、デバイスをスリープ状態にするまでの時間を決める
  • 電源モード:電力効率を優先する設定を選べる
  • 省電力:システムとアプリ全体の電力使用量を自動で管理する(対応バージョンのみ)
  • エネルギーに関する推奨事項:電力消費を下げる設定候補をまとめて提示する

在宅ワークで効くのは画面とスリープです。会議の合間や離席のたびに手で落とすのは続かないので、画面オフの時間を短めに、スリープはそれより長めにしておくと、離席の実態に合います。項目名や選択肢はバージョンで変わるため、設定画面の表記を確認してから合わせてください。

スクリーンセーバーでは消費電力は下がらない

節電のつもりでスクリーンセーバーを設定している場合は、見直す価値があります。資源エネルギー庁は、スクリーンセーバーでは実際には消費電力は下がらないと明記しています。とくに3Dのスクリーンセーバーは描画処理にCPUの処理能力を多く使うため、操作していないのに消費電力が上がるものもある、という説明です。

省エネを目的にするなら、スクリーンセーバーではなく画面オフとスリープを使う、という切り分けになります。

また、購入時の目印として国際エネルギースターロゴが挙げられています。このロゴが付いたOA機器は、待機している状態が一定時間を過ぎると省エネモードに自動で切り替わる機能を持つ、という説明で、対象はコンピュータ、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどです。買い替えのときに見る場所が1つ増えます。

画面の明るさと映像モード

モニターは明るさの設定が消費電力に直結します。資源エネルギー庁の公表値では、テレビ(50V型・液晶)の輝度を1割下げた場合で年間 18.73 kWh の省エネです。パソコン用モニターの値ではありませんが、明るさを下げる方向が効くという点は共通します。

映像モードについても、画面を明るくくっきり見せる設定は消費電力が大きくなるとされ、標準的なモードを選ぶよう説明されています。名称や機能はメーカーによって異なるため、取扱説明書で確認するようにも書かれています。

ただし、暗すぎる画面は目の負担につながります。周囲の明るさに合わせて画面の明るさを決めるのが前提で、消費電力のために見づらくするのは本末転倒です。手元・画面・会議の光を分けて考える整え方は、在宅ワークの照明・明るさの整え方のほうが詳しく扱っています。

照明とデスクまわりの見直し

照明は、置き換えが済んでいるかどうかで話が変わります。

すでにLEDなら、残っている手は点灯時間と明るさの調整だけです。34W のLED照明器具1灯の点灯を1日1時間短縮して年間 12.41 kWh、就寝前などに 50% に調光して 6.21 kWh、という公表値になります。冷暖房より1桁小さい範囲です。

一方、白熱電球や古い蛍光灯器具が残っているなら、置き換えは表の最上位です。54W の白熱電球を 7.5W の電球形LEDランプに替えて年間 93.00 kWh、68W の蛍光灯器具を 34W のLED照明器具に替えて 68.00 kWh。すでに電球形蛍光ランプなら、12W から 7.5W への交換で 9.00 kWh と小さくなります。元が白熱電球のときだけ大きい、という理解が実態に近いです。

あわせて、資源エネルギー庁は照明の汚れで1年間に明るさが 5〜15% 低下するとしており、定期的な掃除で明るさを保ち無駄な電力使用を防ぐよう説明しています。明るさが落ちた分を照明を足して補うと、増えるのは消費電力のほうです。

ここで紹介するLED電球は E26 口金で、明るさ 810lm、60W 形相当の広配光タイプ、電球色。トップランナー制度対応で 2017 年度省エネ法目標基準値を達成した製品です。寿命は約 40000 時間、4 球セットです。

交換前に確認したいのが器具側の条件です。この製品は密閉形器具には使用可、断熱材施工器具には使用不可、調光機能付き器具には使用不可です。密閉形でも器具の種類によって寸法が合わない、熱がこもるといった理由で使えない、あるいは寿命が短くなる場合があると注記されています。口金が合うかだけでなく、器具の種類を先に見るのが順番です。

待機電力を断つ3つの設定

待機電力は、機器がコンセントにつながったままで消費する分です。1つあたりは小さく、在宅ワークでいちばん後ろに来る項目ですが、機器の数が多い人には積み上がります。

資源エネルギー庁が具体的に挙げているのは次の2点です。

  • 高速起動モードやクイックスタート機能をオンにしていると、待機時消費電力が大きくなる。少し待つゆとりが省エネにつながる、という説明です。録画機器やテレビでよく見る設定項目です。
  • 時刻表示などをオフにする設定にすると省エネにつながる。常時点灯している表示は、その分だけ電気を使っています。

3つめが物理的に断つ方法です。個別スイッチ付きの電源タップを使うと、機器ごとに元から電源を切れます。抜き差しを繰り返さずに済むので、たまにしか使わない機器を切ったままにしておく運用が続きます。

ここで紹介するものは 6 個口で、各差込口にLED付きの個別スイッチがあり、雷ガード、ほこりシャッター、絶縁キャップ付きプラグ、二重被ふくを備えています。コード長 1m、定格は 125V・15A・1500W、PSE 適合、質量 330g です。

注意したいのは定格です。この製品の注記では、消費電力が 1500W を超えてもすぐに電源が切れるわけではなく、超過の割合によってブレーカーが作動するまでの時間が変わるとされています。デスク下で暖房器具とパソコンを同じタップにまとめると、この上限に近づきます。暖房器具は別系統にしておくのが安全側です。

何を1本のタップにまとめるかの判断は、電源タップの選び方で口数・定格・機能の見方をまとめています。

請求の内訳を読んでからプランを考える

設定と機器で打てる手を打ったら、次は契約の話になります。ただ、プランを比べる前に、請求が何で構成されているかを知っておくほうが順番として先です。

電力会社の公式説明では、電気料金は基本料金と電力量料金に、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えて算定されます。このうち自分の使い方で動かせるのは電力量料金の部分で、残りは制度と燃料価格で決まります。

燃料費調整制度について、東京電力エナジーパートナーは次のように説明しています。

  • 火力燃料(原油・液化天然ガス・石炭)の価格変動を電気料金に反映させるため、変動に応じて毎月自動的に調整する制度である
  • 原油・液化天然ガス・石炭それぞれの3か月間の貿易統計価格にもとづき毎月の平均燃料価格を算定する
  • 各月分の燃料費調整単価は、2か月後の電気料金に反映される
  • 平均燃料価格が基準燃料価格を上回ればプラス調整、下回ればマイナス調整になる
  • 規制料金プランには加算される燃料費調整額の変動単価に上限がある一方、自由料金プランには上限がないため、燃料価格が高騰した場合は自由料金プランのほうが燃料費調整額が高くなる可能性がある

ここが読めていると、請求が増えた理由を自分の使い方だけに帰さずに済みます。同じ使い方でも、燃料価格の動きが2か月遅れで乗ってくるからです。

そのうえでプランを見るなら、判断材料は次の3つに絞れます。

  1. 時間帯別の単価があるプランかどうか:在宅ワークは日中に使用が寄ります。夜間が安いプランは、在宅時間の実態と噛み合わない場合があります。
  2. 規制料金か自由料金か:上記のとおり燃料費調整の上限の扱いが違います。
  3. 基本料金の決まり方:契約容量で決まるのか、使用量に応じるのか。

なお、プランの優劣はここでは断定しません。単価表は時期とエリアで改定されるため、契約中の電力会社の公式ページで現在の単価と算定方法を確認するのが確実です。比較サイトの表は更新のタイミングがずれることがあります。

会社の在宅勤務手当と費用負担を確認する

在宅ワークが会社の業務としての在宅勤務なら、増えた電気代の一部を会社に負担してもらえる可能性があります。ここは節電とは別の軸で、効き方が大きい割に見落とされがちです。

国税庁は在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)の問8で、従業員が負担した電気料金のうち業務のために使用した部分の計算方法を示しています。基本料金や電気使用料については業務のために使用した部分を合理的に計算する必要があるとし、次の算式で算出したものを従業員に支給した場合には、従業員に対する給与として課税しなくて差し支えないとされています。

算式は、従業員が負担した1か月の基本料金・電気使用料に、業務のために使用した部屋の床面積を自宅の床面積で割った比率その従業員の1か月の在宅勤務日数を該当月の日数で割った比率、そして2分の1を掛けるものです。この算式によらず、より精緻な方法で算出した金額を支給する場合も同様に扱われるという注記も付いています。

在宅ワーカー側の実務に落とすと、確認する順番はこうなります。

  1. 在宅勤務手当の有無と支給の形:定額の手当なのか、実費の精算なのか。同じFAQの中で扱いが分かれています。
  2. 作業スペースの床面積:算式に使うのは業務のために使用した部屋の面積です。ダイニングの一角で作業しているのか、専用の部屋があるのかで数字が変わります。
  3. 在宅勤務日数の記録:月ごとの日数が算式に入るので、勤務記録がそのまま根拠になります。
  4. 会社の規程がどの方法を採っているか:算式どおりか、より精緻な方法か。就業規則や在宅勤務規程に書かれています。

この算式は会社が従業員に支給する金額の計算方法を示したもので、個人が自分で申告して控除を受ける仕組みではありません。フリーランスとして自宅で働いている場合は、そもそも別の枠組み(家事按分)になります。フリーランスの場合は、自宅の費用のうち事業で使った割合を按分して経費にする考え方になり、根拠となる制度も別です。

なお、ここで扱ったのは国税庁が公表しているFAQの内容の範囲です。自分のケースで課税・非課税の判断が必要になったら、国税庁の公表資料を直接確認したうえで、勤務先の担当部署や所轄の税務署、税理士に確認してください。

買う前に測る:ワットチェッカーとカタログ値

ここまでの手順で、公表値をもとにした優先順位は決まります。ただ、公表値は試算条件つきの値で、自宅の機器の実際とは一致しません。自分の部屋で何が大きいのかを知る方法を持っておくと、道具を買う前の判断が変わります。

手順は2つに分かれます。

ひとつめは、実際に測ることです。 コンセントと機器の間に挟むタイプの電力計(ワットチェッカー)を使うと、その機器が今どれだけ電力を使っているか(W)と、一定期間の使用量(kWh)が読めます。使うときのコツは次のとおりです。

  • 測る時間を決めて比べる:瞬間の W は動作状況で振れます。在宅ワークの1日をまるごと通して kWh で見るほうが、判断に使える数字になります。
  • 1機器ずつ測る:タップごとまとめて測ると、どれが大きいのか分かりません。まずデスクトップPC、次にモニター、と分けます。
  • 待機状態も測る:電源を切った状態で挟んだままにしておけば、待機電力の大きさが分かります。ここが小さければ、プラグを抜く手間は省けます。
  • 定格を超える機器には使わない:電力計側にも定格があります。暖房器具のような大きい負荷は、製品の許容範囲を確認してからにしてください。

測ってみると、優先順位が入れ替わることがあります。たとえばノートPCとモニター1枚の構成なら、両方合わせても冷暖房1台には届きません。その場合、PC周りの設定を細かく詰めるより、エアコンの設定温度と室温の関係を整えるほうが先だと判断できます。

ふたつめは、カタログ値を確認することです。 買う前の比較なら、資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトが使えます。販売されている家電製品や機器の省エネ性能表示のデータベースで、統一省エネラベルや省エネ基準達成率が掲載されています。エアコン、テレビ、冷蔵庫、照明器具などが対象です。

実測と公式カタログ値の両方を持っておくと、今ある機器は測って直す、これから買う機器はカタログ値で選ぶという切り分けができます。どちらか片方だけだと、買い替えの判断か使い方の判断のどちらかが感覚に頼ることになります。

筆者の判断基準

この記事で順番を決めるのに使った基準は、次の4つです。

1. 公表値の桁で優先順位を決め、金額では決めない。 単価は契約プランと時期で変わりますが、kWh と W は機器の性質です。順番を決めるなら変わらない物差しのほうを使います。逆に「いくら安くなる」という形の情報は、前提が自分と違えば使えません。

2. 設定で済むものを、道具を買うものより先に置く。 設定温度、風向き、画面とスリープ、高速起動モードのオフは、どれも費用ゼロで1回やれば継続して効きます。道具を買うのは、設定で埋まらない差が残ったときだけです。この記事でサーキュレーターを設定温度・風向き・フィルターの後ろに置いているのは、この基準によります。

3. 効果を約束している情報源は使わない。 数値は一次情報(資源エネルギー庁、環境省、電力会社の公式説明、国税庁、メーカー公式)に限り、試算条件をそのまま併記しました。比較サイトやまとめ記事の試算は、前提が書かれていても更新が追いつかないことがあるため、順番を決める根拠には使っていません。

4. 節電より先に、負担の分け方を確認する。 会社の業務として在宅勤務をしているなら、費用負担の枠組みが用意されている場合があります。使い方を詰めるより、規程を1回読むほうが手間に対して大きく動くことがあります。順番として節電の後ろに置きましたが、優先度が低いという意味ではありません。

逆に、この記事で扱わなかったのは、月額の増加額の試算と、個別の電力会社・プランの優劣です。前者は前提の置き方で結論が変わり、後者は単価改定で古くなります。どちらも読み手が自分の請求書と公式単価表で確認するほうが確実です。

よくある質問

エアコンはつけっぱなしのほうが電気代を抑えられますか

東京電力エナジーパートナーの公式解説では、これはケースバイケースで、建物の断熱性能によっても異なるとされています。そのうえで、在宅時の必要な時間帯はつけっぱなしでよく、部屋を移動するたびにオン・オフせずエアコンに任せたほうがよいという説明です。最近の機種は赤外線センサーや人感センサーを備え、部屋に人がいなければ自動で省エネ運転に切り替わるためです。

一方で、冷房・暖房ともに必要な時だけつけるのが基本という記述もあります。夕方に外気温のほうが下がっているなら、窓を開けて換気したほうが快適な場合もあります。公表値では、冷房を1日1時間短縮して年間 18.78 kWh、暖房を1日1時間短縮して 40.73 kWh の省エネです。

整理すると、在宅で作業している時間帯は切らずに任せる/不在や外気のほうが快適な時間帯は止めるという使い分けになります。一律にどちらが良いという答えにはなりません。

足元が寒いとき、エアコンと電気ストーブはどちらを使うべきですか

東京電力エナジーパートナーは、暖房方式によって暖めるエリアが違うため、暖めたい場所や目的に合わせて選ぶことが大事だとしています。エアコンやファンヒーターのような対流式は部屋全体を暖めるのに適し、ハロゲンヒーターや電気ストーブのような輻射式は部分的に暖めたいときに使う、という切り分けです。同じ輻射式でもオイルヒーターは高気密・高断熱の部屋でなければ十分に性能を発揮できない、とも説明されています。

在宅ワークに当てはめると、部屋全体はエアコン、足元のようにピンポイントで暖めたい場所は別の機器という使い分けになります。それぞれの性能を発揮させることが結果的に省エネにつながる、という公式の説明です。

足元だけを暖める機器の選び方(方式・安全機能)は、足元ヒーター・デスクヒーターの選び方で扱っています。なお、前述のとおり暖房器具は電源タップの定格に影響するので、タップの系統を分ける点は忘れないでください。

契約アンペアを下げれば基本料金を抑えられますか

基本料金の決まり方は契約プランによって異なり、契約容量で決まるプランもあります。ただし、在宅ワークでは日中にエアコンとパソコンと調理家電が同時に動く時間帯が生まれるため、容量を下げるとブレーカーが落ちる可能性が出てきます。

判断するなら、まず同時に使う機器の消費電力(W)を足すところからです。前述のワットチェッカーで実測した値があれば、その合計が現在の契約でどのくらいの余裕なのか分かります。そのうえで、契約中の電力会社の公式ページで自分のプランの基本料金の決まり方と、容量変更の手続き・条件を確認してください。工事や立ち会いが必要な場合もあります。

ここで金額や推奨容量を示さないのは、住居の設備と使用機器で結論が変わるためです。

参照した公式情報(取得日)

すべて 2026-09-12 に取得しました。

商品の仕様値は、各商品ページの記載(2026-09-12 取得)にもとづきます。

まとめ:内訳の大きい所から

在宅ワークの電気代は、公表値の桁を見て大きいところから順に手を付けるのが手間に見合います。

  1. 冷暖房:室温を測って設定温度を決める → 風向きと風量で体感を調整 → フィルターを月1〜2回清掃 → 室外機の前を空ける → 足りなければ送風の補助 → カーテンの丈と閉め方
  2. パソコンとモニター:画面とスリープの時間を決める → 電源モードを見直す → スクリーンセーバーをやめる → 画面の明るさと映像モードを整える(デスクトップ機ほど効く)
  3. 照明:白熱電球や古い蛍光灯器具が残っていれば置き換える → 点灯時間と汚れを管理する
  4. 待機電力:高速起動モードと時刻表示をオフ → 個別スイッチ付きタップで元から切る
  5. 契約と負担:請求の内訳を読む → プランは公式単価表で確認 → 会社の在宅勤務手当と費用負担の規程を確認

そのうえで、判断に迷ったら測ることです。自宅のどれが大きいのかが分かれば、次に触る場所も、買うかどうかも、自分の条件で決められます。

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