椅子のキャスター交換で静音にする選び方|軸径と素材で床の傷と音を減らす

椅子のキャスターを静音タイプに交換する|床の傷と音は「規格確認」から デスク環境

本ページはプロモーションが含まれています

椅子のキャスター交換で静音にする選び方|軸径と素材で床の傷と音を減らす

在宅ワークで椅子を動かすたびに、フローリングを転がるゴロゴロという音が響く。床をよく見ると、椅子の下だけ細かい傷が増えている。そんなとき、椅子を買い替えたり大きなチェアマットを敷いたりする前に、もっと小さく試せる方法があります。椅子のキャスター(車輪)だけを、静音タイプに交換することです。

キャスターは多くの椅子で工具なしに抜き差しできる消耗部品で、5個セットで売られています。ただし、この交換でつまずく人の多くは、商品の善し悪しではなく規格を合わせられていないことが原因です。買ったのに挿さらない、挿さったけれどグラつく、というのは、車輪の性能とは別の話です。

この記事では、次の3つを順番に整理します。

  1. 規格が合わなければ何を買っても付かないので、まず測る場所を4か所に分けて確認する
  2. 音と床の傷は車輪の素材でほぼ決まるので、素材と自分の部屋の床材を掛け合わせて選ぶ
  3. キャスターを替えても消えない音があるので、交換前に音の出どころを切り分けておく

規格・素材・切り分けの3点を押さえておけば、届いた箱を開けてから困ることはほとんどなくなります。

交換したほうがよいサイン

まず、そもそも交換すべき状態かどうかを確かめます。次のような症状が出ていれば、キャスターは寿命か、床との相性が悪い状態です。

  • 転がりが重い、まっすぐ進まない:車輪の軸に髪の毛やほこりが巻き付いている、または軸受けが摩耗している
  • 転がすと音が大きくなった:車輪の表面が硬化したり摩耗したりして、床と硬く当たっている
  • 床に細かい傷や黒い筋が付く:砂やほこりを噛み込んだ車輪が、床の上を引きずられている
  • 車輪の表面が割れている、欠けている:樹脂の劣化。荷重が一点に集中して床を傷めやすい
  • 椅子がガタつく、片側だけ沈む:車輪の高さがそろっていない、または脚側が変形している

このうち最後の1つだけは注意が必要です。ガタつきの原因が脚側にある場合、キャスターを新品に替えても症状は消えません。次の項目で、交換前の確認を先に済ませます。

交換する前に確認する4つのこと

1. 脚(ベース)が壊れていないか

キャスターを抜いた穴の周りに、ひび割れや白化(樹脂が白く変色している状態)が無いかを見ます。穴が広がっていると、新しいキャスターを挿してもすぐ抜けます。この場合はキャスター単体ではなく脚の交換、あるいは椅子そのものの見直しが必要です。

2. 品番とメーカー保証

椅子の座面裏や脚に、品番・ロット番号のシールが貼られています。オフィスチェアのメーカーは修理窓口を用意しており、オカムラの修理の依頼について(2026-09-07 確認)では、保証期間内は購入した販売店または正規ECパートナーへ、保証期間外は修理依頼窓口へ相談するよう案内されています。相談時には製品コード・ロット番号・出荷番号・購入時期・購入先・台数・製品の状態が必要とされているため、品番シールは先に写真を撮っておくと話が早く進みます。

保証期間内であれば、社外品に交換するより先にメーカーへ相談したほうが確実です。

3. 自分で交換できる製品かどうか

すべての椅子がユーザー交換に対応しているわけではありません。コクヨのキャスターが破損しました。交換できますか?というFAQ(2026-09-07 確認)では、キャスターにはお客様で交換可能な製品と修理対応となる製品があり、設置場所の床の材質によってキャスターが異なると説明されています。純正部品を選ぶ場合も、床材に合わせた品番選択が前提になっているわけです。

4. 部屋の床材

これが後述する素材選びの入口になります。フローリング、クッションフロア(塩化ビニル製のシート床材)、カーペット、畳、タイルカーペットのどれなのかを確認しておきます。とくにクッションフロアの場合は、選んではいけない素材があるため、必ず確認してください。

規格の確認:測るのは4か所

キャスター選びで最初に見るのは、色でも見た目でもなく今ついているキャスターの取り付け規格です。ここが合っていないと、そもそも椅子に挿さりません。

差し込み式かねじ込み式かを見分ける

多くのオフィスチェアは、脚の穴に軸(ステム)を差し込むだけの差し込み式です。一方で、ねじで留めるねじ込み式の椅子もあります。今のキャスターを一度抜いてみて、まっすぐ抜ければ差し込み式、ねじが切ってあればねじ込み式、と見分けます。

測る4か所

差し込み式の場合、サンワサプライのチェアキャスターの種類と選び方(2026-09-07 確認)では、確認すべき寸法として次の4か所が挙げられています。同社の適合品はシャフト直径 11.12mm・シャフト長さ 22mm(根元のふくらみ部分を除く)・頭から溝までの長さ 5.5mm・溝の長さ 2mm という仕様です。

測る場所 意味 よくある値(mm)
シャフト直径 穴に入るかどうかを決める 11 または 10
シャフト長さ 奥まで届くかどうか 22
頭から溝までの長さ 抜け止めの位置 5.5
溝の長さ 抜け止めの掛かり幅 2

一般的な商品ページで明記されているのは上2つ(直径と長さ)までのことが多いのですが、直径と長さが合っているのに固定が甘いというときは、下2つの溝の位置がずれている可能性があります。純正部品に近い形状を選ぶか、抜いたキャスターを実物と見比べるのが確実です。

測り方の手順

  1. 椅子を横に倒すか裏返します。座面の重みで倒れないよう、背もたれ側を壁に沿わせると安定します
  2. キャスターを1つ、まっすぐ引き抜きます。かたいときは根元にタオルを当て、少しずつ左右に揺すりながら引きます
  3. 抜いた軸の太さを定規かノギスで測ります。10mm と 11mm は見た目でほとんど区別が付かないので、目視で判断しないでください
  4. 抜いたキャスターは捨てずに、購入時の見本として手元に残します

方式と径の両方を1つの商品でカバーしているものもあります。次のキャスターは、差し込み式(差し込み口径 11mm)とねじ込み式(ねじ込み口径 10mm)の2タイプから選べる仕様です。

ホイール直径は 50mm、素材は PU ウレタンで、フローリングの床に傷が付きにくいウレタン巻きの双輪キャスターと記載されています。自分の椅子がどちらの方式か分かっている人が、規格を合わせる起点として選びやすい作りです。

なお、同じ差し込み式でも軸径が 10mm の椅子(IKEA 製など)があります。その場合は径 10mm 向けの製品を選ぶ必要があります。

こちらは IKEA チェア用として、シャフト直径 10mm・長さ 22mm の差し込み式、素材は PU(ポリウレタン)と記載されています。自分の椅子は径が細いかもしれない、と思ったら、必ず今のキャスターの軸を測ってから選んでください。

素材で決まる音と床の傷

規格が合ったら、次は静音性と床へのやさしさです。この2つは車輪の素材でほぼ決まります。キャスター専業メーカーであるハンマーキャスターの車輪用途特性(2026-09-07 確認)では、素材ごとの性格が次のように説明されています。

ウレタン(ポリウレタン・PU)

耐油性・耐摩耗性・低温特性に優れ、床面の汚染等が少ないことから多く使用されるようになった、とされています。適度な弾力があるため、床の凹凸を車輪側が吸収し、走行音が硬い樹脂より抑えられます。チェア用の交換キャスターで静音・床保護をうたう製品の多くがこの素材です。

ナイロン

耐熱性・耐薬品性・耐蝕性・耐摩耗性に優れ軽量である、と説明されています。硬い素材のため転がりが軽く、カーペットのような沈み込む床でも動かしやすいのが利点です。反面、硬い床に対しては音も傷も出やすくなります。多くの製品は、軸受けや外側の枠にナイロン、床に当たる部分にウレタンを使う組み合わせになっています。

ゴム

表面硬度が低く弾性をもっているためクッション性を要求される場合に最適である、とされています。柔らかいぶん静音性は高いのですが、床材によっては使ってはいけない場合があるという重要な制約があります(次章)。

素材と床材の対応

サンワサプライの同ページでは、ナイロン(硬い)・ウレタン(普通)・ゴム(柔らかい)の3種がいずれもカーペット・フローリング・Pタイルに対応するとしたうえで、ナイロンは転がりが良くスムーズな移動が可能、ウレタンはフローリングの床に傷つきにくい、ゴムは床を傷つけにくい、と特徴づけています。つまりどれも使えるが、優先したいものが違うということです。

優先したいこと 向いている素材
硬い床での静音 ウレタン、ゴム
フローリングの傷防止 ウレタン、ゴム
カーペットでの動かしやすさ ナイロン
迷ったときの汎用性 ウレタン

次のキャスターは、素材にナイロンとポリウレタンを使い、チェアマット無しでも傷付かないとうたわれている製品です。

適応穴直径 11mm、シャフト長 22mm、車輪直径 50mm、ホイール幅 22mm、本体5個と規格が明記されているので、自分の椅子の径が 11mm だと分かっていれば選びやすいでしょう。今回参照した候補の中ではレビュー評価が高く、静音と床保護をまとめて満たしたい人の標準的な選択肢になります。

床材別の選び方

フローリング

もっとも一般的な組み合わせです。ウレタン系を選べば、走行音と傷の両方を抑えやすくなります。ただし車輪が柔らかくても、砂やほこりを噛めば傷は付きます。週に一度は車輪を指で回しながら、巻き付いた髪の毛やほこりを取り除くほうが、素材を替えるより効果が分かりやすいこともあります。

クッションフロア(塩化ビニル製シート床材)

ここが見落とされがちな落とし穴です。東リのクッションフロアが変色したときの対応策は?というFAQ(2026-09-07 確認)では、ある種のゴム製品に接するとその成分がビニル床材に移行して変色が生じることがある、と説明されています。原因として椅子の脚カバー、滑り止めマット、ワゴンや家具のキャスターが挙げられており、予防策はゴム製品と床材の間に紙や布などを一枚挟むこと、そして一度発生したゴム汚染は後から取り除くことはできないとされています。

メーカー側もこれを明示しています。コクヨの交換パーツ紹介ページ A-CS8 F6(2026-09-07 確認)は 50mm フローリング用ゴムキャスターの説明ですが、クッションフロアー上ではご使用にならないでください、床を傷つける場合があります、と注記されています。

賃貸のワンルームや洗面所まわりはクッションフロアであることが多いので、床がビニルシートだと分かっている場合、静音目的でゴム車輪を選ぶのは避けるのが安全側の判断です。ウレタン系を選ぶか、チェアマットを挟んでください。

カーペット・タイルカーペット

床が柔らかいので傷の心配は減りますが、毛足に沈み込んで動きが重くなります。硬めのナイロン系、あるいは車輪径が大きいものを選ぶと軽く動きます。柔らかいウレタンは沈み込みが増えるため、カーペット上では相性がよくない場合があります。

畳は表面が傷みやすく、キャスター付きチェアとの相性はもともとよくありません。素材を替えるより、チェアマットを敷いて面で荷重を分散させるほうが確実です。畳の目に沿って引きずると繊維がささくれるため、動かすときは持ち上げる意識も要ります。

チェアマットと併用する場合

マットの上を転がすのであれば、床材はマットの素材(多くは塩化ビニルまたはポリカーボネート)になります。この場合もクッションフロアと同じ理由で、ゴム車輪よりウレタン系を選ぶほうが無難です。

どこで買うか:純正部品と汎用品の選び分け

床材と素材が決まったら、次は入手先です。選択肢は大きく2つあります。

メーカー純正部品

コクヨは、チェアーキャスター確認ページで品番を入力するか写真から製品を選ぶと、その椅子に適合する交換パーツが表示される仕組みを用意しています。オカムラも、代表的な製品の修理可能部品を公開したうえで、保証期間の内外で相談先を分けています。純正部品の利点は、規格を自分で測る工程そのものを省けることです。床材別に品番が分かれている場合は、選定の迷いも一度に解消します。

一方で注意点もあります。コクヨは、補修用キャスターは現在使用中のものとデザインやカラーが異なる場合があり、同一のものを希望する場合は有償の交換作業を依頼できると案内しています。見た目をそろえたい場合は、部品購入と作業依頼のどちらになるのかを先に確認しておくとよいでしょう。

汎用の交換キャスター

通販やホームセンターで買える汎用品は、規格が一致していることが前提です。裏を返せば、軸径・軸長・溝の位置さえ合っていれば、素材や車輪径を自分の床と使い方に合わせて自由に選べます。純正部品の設定が無い椅子、型番が分からない椅子、メーカーのサポートが終了している椅子では、こちらが現実的な選択肢になります。

判断の目安はシンプルで、品番が分かっていて保証期間内なら純正、それ以外なら実測して汎用品です。品番シールが読めない椅子で汎用品を選ぶ場合は、前述の測り方の手順に戻ってください。

車輪の直径と個数をそろえる

交換用キャスターの多くは、椅子の脚の数に合わせて5個セットで売られています。ふつうのオフィスチェアは脚が5本なので1セットで足ります。ここで大事なのは、コクヨの交換パーツページが明記しているとおりキャスターは必ず全個数交換するという点です。1個だけ替えると、その1本だけ高さや転がり方が変わり、椅子が傾いたり片側だけ床が傷んだりします。

車輪の直径は 50mm 前後が標準的で、サンワサプライは 60mm の大型キャスターも扱っていると案内しています。径による違いは次のとおりです。

車輪径(mm) 転がりやすさ 段差やケーブルの越えやすさ 座面高への影響
50 標準 標準 同径から替えるなら変化なし
60 より軽い 越えやすい 高くなる

大きい径は快適ですが、座面が上がるぶん、机の天板とのすき間や肘の角度が変わります。今の座り心地を崩したくないなら、今ついている車輪と同じ径を選ぶのが失敗しない選び方です。逆に、電源タップやケーブルをよく踏んで引っかかるという悩みがあるなら、大径にする価値があります。

体重と椅子の重さから必要な耐荷重を出す

商品ページの耐荷重が足りているかどうかは、感覚ではなく計算で確かめられます。キャスター専業メーカーであるハンマーキャスターのキャスターのえらび方(2026-09-07 確認)は、次の考え方を公開しています。

  • 1個あたりの必要耐荷重=機器の総荷重÷取付けるキャスター数
  • 求めた値に対し、負荷は 25% ほど割り増して見積もる
  • 商品側の許容荷重は、試験機で永久歪みが生じるまで荷重を掛けて得られた破壊点の概ね 1/8〜1/10 程度を一つの目安に設定されている

これを5本脚のチェアに当てはめます。総荷重は体重と椅子の自重の合計です。椅子の自重はオフィスチェアで 10〜15kg 程度が目安になります。

体重(kg) 椅子の自重(kg) 総荷重(kg) 1個あたり(kg) 25%割増後(kg)
50 12 62 12.4 15.5
60 12 72 14.4 18.0
70 12 82 16.4 20.5
80 12 92 18.4 23.0
90 12 102 20.4 25.5

計算してみると分かるのは、一般的な体重帯なら1個あたり 25kg 程度あれば足りるということです。チェア用の交換キャスターは、これを上回る耐荷重で表示されている製品が多く、規格さえ合っていれば荷重が問題になる場面は多くありません。

ただし例外が2つあります。1つは、立ち座りの瞬間に荷重が特定の1〜2個へ集中するケース。均等割りはあくまで静止時の考え方なので、割増の 25% はここを吸収するための余裕です。もう1つは、車輪が5個そろっていない状態で使うケースで、1個割れたまま使うと残り4個の負担が 25% 増えます。割れたキャスターを放置しないほうがよい理由は、見た目ではなくこの計算にあります。

交換手順と、外れないときの対処

基本の手順

コクヨの交換パーツページでは、所要時間は 10 分/脚、必要な道具はノンスリップ軍手とマイナスドライバーと案内されています。作業自体は次の流れです。

  1. 椅子を裏返すか横に倒す。座面が動かないよう、高さ調整レバーには触れない
  2. 古いキャスターを1つずつまっすぐ引き抜く
  3. 脚側の穴に入り込んだほこり・髪の毛を取り除く
  4. 新しいキャスターの軸を穴にまっすぐ当て、手応えがあるまで押し込む
  5. 5個すべて交換したら椅子を起こし、体重をかける前に手で押して均等に転がるか確かめる

差し込み式は工具なしで入る製品が多く、5個で数分から十数分です。ねじ込み式は付属または手持ちの工具で留めます。

抜けないときの対処

古いキャスターが固着している場合、力任せに引っ張ると脚側を割ります。次の順番で試します。

  1. 左右に小さく揺すりながら引く:まっすぐ引くより、こじりを加えたほうが抜けます
  2. タオルを噛ませて握力を上げる:軸ではなく車輪の付け根をつかみます
  3. 脚とキャスターのすき間にマイナスドライバーを差し込み、少しずつねじる:てこの支点になる脚側にタオルや当て木を入れて、樹脂に傷を付けないようにします
  4. それでも抜けない場合は無理をせず、メーカーの修理窓口に相談する

金属(アルミダイキャスト)製の脚は、はめ合いが固く打ち込みで固定されている場合があります。抜き差しに大きな力が要るときは、樹脂脚と同じ感覚で扱わないでください。

入らないときの確認

新品が奥まで入らないときは、力ではなく規格を疑います。軸径が 0.5〜1mm 違うだけで入りません。抜いた古いキャスターと新品を並べ、直径・長さ・溝の位置の3点を見比べてください。溝の位置だけが違う場合、押し込めても抜け止めが掛からず、椅子を持ち上げたときに落ちます。

交換しても消えない音を切り分ける

キャスターを替えたのに音が変わらない、という失敗は珍しくありません。椅子の音は車輪だけから出ているわけではないからです。

コクヨのイスから異音がします。音を止めることはできますか?というFAQ(2026-09-07 確認)は、異音はさまざまな箇所から発生しうるため原因の特定が難しく、お客様自身のメンテナンスは破損につながるおそれがあるとして、メンテナンス説明書の提供を行っていないと説明しています。またガススプリング式の椅子の主軸を抜き取る作業には専門的な技術と専用の工具が必要とされており、無理な操作は避けて修理窓口へ相談するよう案内されています。

そのうえで、音の出方から切り分けの当たりは付けられます。

音の出方 出どころの見当 キャスター交換で変わるか
床の上を転がしたときだけゴロゴロ鳴る 車輪と床の接触 変わる可能性が高い
転がすと片側だけカラカラ鳴る 1個の車輪の軸受け、異物の噛み込み 変わる可能性が高い
座ったまま体を動かすとギシギシ鳴る 座面や背もたれの結合部、ねじのゆるみ 変わらない
高さを変えるとき、座るときにガコッと鳴る ガススプリング(ガスシリンダー) 変わらない
椅子を持ち上げても脚がガタつく 脚(ベース)の変形や割れ 変わらない

切り分けの手順は簡単です。椅子から降りて、手で押して転がしてみてください。 体重が乗っていない状態で鳴る音は床と車輪の音であり、キャスター交換の効果が期待できます。座ってから鳴る音は結合部やガススプリング側なので、部品を替えても解決しません。この確認を先にやっておくと、買ってから期待外れになることを防げます。

なお、ねじのゆるみ由来のきしみは、座面裏のねじを増し締めするだけで収まる場合があります。ただし前述のとおりメーカーは自己メンテナンスを推奨していないため、保証期間内であれば窓口に相談するのが先です。

よくある失敗パターン5つ

  1. 測らずに買う:10mm と 11mm は見た目で区別が付きません。太いと入らず、細いとグラつきます。抜いたキャスターを実測してから注文します
  2. 1個だけ交換する:高さと転がりがそろわず、床の一点だけが傷みます。コクヨが全個数交換を明記しているのはこのためです
  3. クッションフロアにゴム車輪を選ぶ:静音性だけで選ぶとゴム汚染で床が変色し、東リの FAQ にあるとおり後から取り除けません
  4. 座面高の変化を計算に入れない:50mm から 60mm に上げると座面が上がり、机との高さ関係が変わります。腕や手首の角度が変わるので、机の高さも合わせて見直しが要ります
  5. 脚側の破損を見落とす:穴が広がった脚に新品を挿しても抜けます。ガタつきの原因が脚にあるなら、キャスター交換は解決策になりません

チェアマットや椅子そのものとの使い分け

床の傷や音の対策は、キャスター交換だけではありません。床全体を守りたいなら、下に敷くチェアマットで床を守る方法もあり、キャスター交換と組み合わせることもできます。マットを敷くほどではないが音と傷は減らしたい、という段階では、キャスター交換のほうが手軽です。

一方、長く座って腰がつらいなど椅子そのものに不満があるなら、キャスターだけで解決しきれません。座り心地の調整は椅子の調整で腰の負担を減らす方法を、買い替えを検討するならゲーミングチェアとオフィスチェアの違いもあわせてどうぞ。

安全性の面でも、キャスター付きの椅子には固有の注意点があります。国民生活センターが 2019年12月12日に公表した浅く腰掛けたところ、前のめりに転倒しそうになった椅子というテスト結果(2026-09-07 確認)では、JIS S 1204(家具-いす-直立形のいす及びスツールの安定性の試験方法)の前方安定性試験について、座面の前端から 50mm の位置に力を加える試験で 600N に耐える必要があるところ、当該品は 310N で後側のキャスターが浮き上がったと報告されています。浅く腰掛ける座り方は、椅子の種類を問わず前方への不安定さにつながる、という点は覚えておくとよいでしょう。

筆者の判断基準

情報が多くて決めきれないときのために、優先順位を1つに絞った判断の順番を置いておきます。

  1. 規格が最優先:静音性も床保護も、挿さらなければ意味がありません。軸径・軸長を測ってから商品を絞ります。ここを飛ばすと、他のすべての比較が無駄になります
  2. 次に床材:クッションフロアならゴムを外す、カーペットならナイロン寄り、フローリングやチェアマットならウレタン。床材で候補は半分に減ります
  3. 素材が決まってから、径と個数:今と同じ径をそろえて5個交換が基本。ケーブルをよく踏むなら大径に上げ、そのぶん机の高さを見直します
  4. 静音を最優先にするのは、上の3つが決まってから:静音をうたう製品はどれも柔らかい素材なので、実質は素材選びと同じ話に戻ります
  5. 迷ったら純正部品を先に調べる:メーカーが床材別に品番を分けている場合、選定の手間そのものが省けます。保証期間内ならなおさら窓口が先です

逆に、この記事の範囲で解決しないと判断すべきサインもはっきりしています。座って鳴る音、脚のガタつき、高さが下がってくる症状は、キャスターではなく本体側の問題です。部品代を重ねるより、修理相談か買い替えの検討に切り替えたほうが早く解決します。

よくある質問

キャスターだけ交換すると、メーカー保証は切れますか

一律に切れるとは限りませんが、判断はメーカーと製品によります。コクヨは、お客様で交換可能な製品と修理対応となる製品があると案内しています。オカムラも保証期間内は購入した販売店または正規ECパートナーへの相談を案内しています。保証期間内であれば、社外品を買う前に窓口へ問い合わせるのが確実です。品番・ロット番号を手元に用意してから連絡してください。

静音キャスターにすれば、階下への音は消えますか

消えるとは言えません。床を転がる音(車輪と床の接触音)は素材で抑えられますが、椅子から降りるときの衝撃や、床そのものを伝わる振動は別の経路です。集合住宅で階下への影響を抑えたいのであれば、キャスター交換に加えて厚みのあるチェアマットやラグを併用し、床への荷重を面で分散させるほうが現実的です。

5個セットを買ったのに1個余りました。予備にすべきですか

椅子の脚が4本の製品では1個余ります。予備として保管して構いませんが、将来1個だけ交換する用途では使わないほうが無難です。使用済みの4個と新品1個では摩耗の度合いが違い、転がり方に差が出ます。余った1個は、同じ椅子で全数を再交換するときの予備として考えてください。

参照した公式情報(取得日)

本文中の規格・仕様・注意事項は、以下の一次情報にもとづいています。取得日はいずれも 2026-09-07 です。

まとめ

  • 椅子ごと替えなくても、キャスターだけを静音タイプに交換すれば音と床の傷は減らせる
  • 最初に確認するのは規格。差し込み式かねじ込み式か、軸径が 11mm か 10mm かを、今のキャスターを抜いて実測する。溝の位置まで見比べると確実
  • 音と床保護は素材で決まる。硬い床ならウレタン系、カーペットならナイロン系が動かしやすい
  • クッションフロアにゴム車輪は避ける。東リはゴム汚染による変色が後から取り除けないと案内している
  • キャスターは全個数を同時に交換する。1個だけ替えると高さと転がりがそろわない
  • 必要な耐荷重は、体重と椅子の自重の合計を5で割り、さらに 25% 割り増して確かめられる
  • 座ってから鳴る音、脚のガタつき、高さが下がる症状はキャスターでは直らない。修理窓口への相談が先

※スペックや仕様は記事作成時点で参照した商品情報にもとづきます。取り付けの可否は必ず今お使いの椅子の規格を確認し、最新の内容は各商品ページでご確認ください。公式情報の記載内容は変更される場合があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました