チェアのヘッドレストを後付けする選び方|付くか見分ける5項目と固定方式の相性

今の椅子にヘッドレストを後付けしたい|買う前に確認する「付くか」の見分け方 デスク環境

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チェアのヘッドレストを後付けする選び方|付くか見分ける5項目と固定方式の相性

長時間のデスク作業で首がつらくなってくると、今の椅子にヘッドレストがあれば頭をあずけられるのに、と感じます。椅子ごと買い替えるのは大がかりですが、ヘッドレストだけを後付けする方法なら、手持ちの椅子をそのまま活かせます。

ただ、チェアのヘッドレストを後付けするときにいちばん多い失敗は、届いてから自分の椅子に付かなかった、というものです。座り心地の良し悪し以前に、背もたれに固定できなければ使えません。

この記事では、買う前に確認しておきたい付くかどうかの見分け方を5項目に整理し、メジャー1本でできる実測手順、固定方式ごとの相性、純正と汎用の違い、位置と角度の合わせ方までをまとめます。数値はメーカー公式で公開されている仕様と、厚生労働省の情報機器作業ガイドラインを参照しました(取得日はいずれも2026年9月10日)。

後付けできるかは背もたれで決まる

後付けヘッドレストは、クッションの厚みや調整機能から選びたくなります。けれど、どんなに座り心地がよさそうでも、自分の椅子の背もたれに固定できなければ使えません。だから最初に確認するのは、座り心地でも見た目でもなく、取付方式が自分の椅子に合うかどうかです。

取付方式は製品ごとに決まっていて、あとから変えられません。ここを合わせずに買うと、届いてから背もたれに固定できないことに気づく、ということが起こります。逆にいえば、方式さえ椅子に合っていれば、後付けパーツだけで、椅子を丸ごと買い替えなくても頭をあずけられる環境に近づけます。

判断の順番は次のとおりです。まず自分の椅子の背もたれを5つの観点で観察し、必要な箇所を実測します。次に、その形に合う固定方式を絞り込みます。最後に、その方式の製品のなかから調整範囲と用途で選ぶ。この順番を逆にして、気に入った製品を先に決めてから椅子に合うかを調べると、選択肢が1つしかない状態で判断することになり、無理に合わせようとして失敗しやすくなります。

なお、椅子そのものの土台が整っていないと、ヘッドレストを付けても頭の位置が決まりません。厚生労働省の情報機器作業ガイドラインは、椅子について座面の高さを調整できること、背もたれで腰部を支えられること、座面の高さが調整できない場合はフットレストを備えることを挙げています。ヘッドレストは、この土台が整ったうえで頭部を休ませる補助と考えるのが自然です。座面が高すぎて足が浮いている、腰が支えられていないという状態なら、先に腰が痛くならない椅子の座り方と調整の調整から手を付けるほうが効果的です。

付くかどうかを見分ける5項目

背もたれのどこを見れば付くかどうかが分かるのか、順に整理します。この5項目が分かっていれば、製品ページの対応条件と突き合わせるだけで、ほとんどの適合判断ができます。

1. 背もたれ上部の厚み

もっとも多い不適合の原因が厚みです。背もたれの上端を挟み込むクランプ式は、挟める厚みの上限が製品ごとに決まっています。参考として、クランプ式の後付けヘッドレストには、厚さ4cm以下の椅子に挟んで固定すると仕様に明記されているものがあります。

厚みは背もたれの高さによって変わることが多く、上端に近いほど薄く、腰のあたりに向かうほど厚くなる形状が一般的です。測るべきは、実際にクランプを挟む位置=背もたれのいちばん上のフチです。真ん中あたりの厚みを測って対応範囲に収まっていると判断すると、上端では逆に薄すぎてクランプが利かない、あるいは形状が違って挟めない、ということが起こります。

2. 背もたれ上端の形状

上端が水平にまっすぐな形か、山なりに湾曲しているか、左右に持ち上がった形かで、挟みやすさが変わります。クランプは平行な2面で挟む構造なので、上端が湾曲していると接触面が点に近くなり、締めても回転してしまうことがあります。

湾曲が強い背もたれや、上端が丸みを帯びていて厚みが一定でない椅子は、背もたれ全体を包むストラップ式のほうが安定します。上端が水平で幅のある平面になっている椅子は、クランプ式との相性が良いタイプです。

3. 背もたれの幅

ストラップ式やカバー式は、背もたれ全体に被せてゴムベルトなどで留めるので、対応する幅の上限があります。ある製品では、取付け対応幅が最大約80cm(ゴムで伸縮)と公表されています。一般的なオフィスチェアの背もたれ幅はこの範囲に収まりますが、ゲーミングチェアのように背もたれが大きく、サイドが立ち上がった形の椅子では余裕が少なくなることがあります。

幅は、背もたれのいちばん広い部分で測ります。ハイバックのゲーミングチェアは肩まわりの張り出しが最大幅になることが多いので、上端だけを測って判断しないほうが確実です。

4. メッシュか布・クッションか

素材は、固定の効き方に直結します。布やクッション張りの背もたれは、クランプで締めると多少沈み込みますが、その沈み込みが摩擦になって止まります。一方、メッシュの背もたれはたわむので、締め込んでもテンションが逃げやすく、頭の重さをあずけたときにヘッドレストごと後ろに倒れることがあります。

メッシュ張りの椅子でも、上端にフレームが通っているタイプならフレームを挟めるので固定できます。メッシュ面そのものを挟むしかない構造の椅子では、後付けの汎用品は苦手分野です。

5. フレームの有無と太さ

背もたれの外周に樹脂や金属のフレームがあるかどうかは、後付けの可否を大きく左右します。フレームがあれば、そこを挟む・そこにストラップを回すという確実な固定点ができます。フレームが無く、クッションだけで構成されている背もたれは、掴む場所が無いため方式が限られます。

フレームがある場合は、その太さも見ておきます。極端に細いフレームは、クランプの受け面より小さくて空回りすることがあります。逆に太すぎるフレームは、クランプの開口幅を超えて挟めません。

5項目の実測手順

ここまでの5項目を、メジャー1本で確認する手順にまとめます。所要時間は5分ほどです。測った値をメモしておくと、製品ページの対応条件と機械的に突き合わせられるので、迷いが減ります。

手順1. 椅子を横から見て、背もたれのいちばん上のフチの厚みを測ります。フチが丸い場合は、いちばん厚い部分の寸法をとります。

手順2. 背もたれを正面から見て、いちばん広い部分の幅を測ります。ゲーミングチェアや肩まわりが張り出した椅子は、上端ではなく肩の高さで測ります。

手順3. 上端を手でなぞり、水平か、湾曲か、左右が立ち上がっているかを記録します。手のひらを平らに当てて、面で接するか点で接するかを見ると分かりやすくなります。

手順4. 背もたれの張り材を確認します。メッシュなら、上端にフレームが通っているかを触って確かめます。

手順5. 座った状態で、背もたれの上端から頭のてっぺんまでの距離を測ります。この値が、必要なヘッドレストの高さの目安になります。

測った値は、次の表の対応で製品ページの記載と突き合わせます。

測った項目 単位 製品ページで照合する記載
背もたれ上端の厚み cm クランプの対応厚み・挟める厚さの上限
背もたれの最大幅 cm 取付け対応幅・対応する背もたれ幅
上端から頭頂までの距離 cm ヘッドレストの高さ調整範囲・上下ストローク
フレームの太さ cm クランプ開口幅・対応するフレーム径

記載が見つからない項目があるときは、その製品は自分の椅子に対する適合が判断できないということなので、条件が明記されている別の製品を選ぶほうが確実です。

固定方式別の相性と外れやすさ

後付けヘッドレストの固定方法は、大きく4種類に分かれます。それぞれ向いている椅子が違います。

クランプ式(挟む)

汎用性が高いのは、背もたれの上部を金具で挟み込むクランプ式です。穴あけや本体の加工が要らず、背もたれの厚みさえ合えば幅広い椅子に付けられます。

この製品はクランプ式で、厚さ4cm以下の椅子に挟んで固定する仕様です。高さ・角度・前後の3軸で調整でき、低反発クッションで頭と首を支えます。本体は幅270×奥行170×高さ310mmと記載されています。挟むタイプは手軽な反面、背もたれ上部の厚みが対応範囲に収まっているかが付くかどうかの分かれ目になります。

外れやすさの観点では、クランプ式は回転に弱いのが特徴です。締め付けが緩むと、頭をあずけた瞬間にヘッドレストが後ろに回ってしまいます。ボルトを規定どおり締めることに加えて、使い始めて数日は締まり具合を確認する習慣を持つと安心です。

ストラップ・バンド式(被せる)

背もたれ全体をカバーで包み、ゴムベルトなどで固定する方式です。上端の細い部分だけを挟むクランプ式より、背もたれの形を選びにくいのが特長です。

こちらは背もたれに被せてゴムベルトで留めるタイプで、取付け対応幅は最大約80cm(ゴムで伸縮)とされています。ヘッドレストの高さは最大4cmの範囲で調整でき、固定用ゴムベルトや取付け用ボルト、六角レンチ、日本語の取扱説明書が付属します。本体サイズは幅400×奥行45×高さ730mm、重量は約2000gと記載されています。背もたれの上端が細くてクランプが挟みにくい椅子でも、被せる方式なら固定できることがあります。

外れやすさの観点では、ストラップ式はずり下がりに弱いのが特徴です。背もたれ全体で支える構造なので回転はしにくい一方、ゴムの張力だけで位置を保つため、頭をあずけるたびに少しずつ下がることがあります。座面側でベルトを回して固定できる製品なら、この動きを抑えられます。

純正の取付穴・クリップ式

特定の椅子の型に合わせて設計され、もともと用意されたネジ穴や取付部に固定するタイプです。対応機種は限られますが、合致すればぐらつきにくく確実に付くのが強みです。

これはアーロンチェア リマスタード専用のヘッドレストで、全サイズ(A/B/C)に対応すると記載されています。前後・高さ・角度を調整でき、取り付けは工具同梱で約3分、3年保証が付きます。専用品は付くかどうかで迷わない代わりに、自分の椅子がその対応機種かどうかが最大の確認事項になります。対応機種の一覧に自分の型番が載っていなければ、形が似ていても取り付けられません。

メーカー公式の例として、Steelcase のヘッドレスト取り付け案内では、Series 1 と Series 2 は付属工具でフレーム上部のネジ2本を外し、ヘッドレストの装着部をネジ穴に合わせて長いネジで固定する手順が示されています。Think は背もたれのフレームに金属クリップを埋め込み、スライドさせてプラスチックのフレーム部分を左右にはめ込む方式です。同じメーカーの中でもシリーズごとに取り付け方が違うことが分かります。

外れやすさの観点では、純正のネジ・クリップ式が安定しやすい方式です。構造として設計された固定点にボルトで留めるので、緩みの管理さえすれば回転もずり下がりも起きにくい方式です。

背もたれに差し込む簡易式

背もたれに紐やバンドで結びつける、あるいは背もたれとクッションの隙間に差し込む汎用クッションタイプもあります。金具を使わないので多くの椅子に付けやすい反面、しっかり体重をかけて頭を預けるというより、首のあたりに軽く添えるクッションに近い使い心地です。

まず手軽に試したいときの入り口としては選択肢になりますが、頭をあずけて休みたいなら、クランプ式やストラップ式のように本体をしっかり固定できる方式のほうが安定します。

方式と背もたれタイプの相性早見表

ここまでの4方式と、背もたれのタイプの相性を一覧にします。◎は相性が良い、○は条件付きで可、△は工夫が要る、×は基本的に難しいという意味です。

背もたれのタイプ クランプ式 ストラップ式 純正取付穴 差し込み式
上端が水平・布張り 機種次第
上端が湾曲・布張り 機種次第
メッシュ・上端にフレームあり 機種次第
メッシュ・フレームなし × 機種次第
ハイバック・肩が張り出す 機種次第

純正取付穴の列を機種次第としているのは、この方式が背もたれの形ではなく型番で決まるためです。形状がどうであれ、対応機種として明示されていれば付き、明示されていなければ付きません。

取り付けた直後に確かめること

固定できたと思っても、いきなり全体重をあずけないほうが安全です。取り付けた直後は次の3点を確かめます。

まず、ヘッドレストを手で上下に動かしてみて、支柱ごとずれないかを見ます。次に、前後に押してみて、背もたれから浮き上がる方向に動かないかを確認します。最後に、座った状態でゆっくり頭を預け、少しずつ体重を移しながら、途中で沈み込みや傾きが起きないかを確かめます。

この3点で違和感があるときは、締め付けが足りないか、そもそも方式が椅子に合っていません。無理に締め込むと背もたれのフレームを傷めることがあるため、規定以上に締めるのではなく、方式そのものを見直すほうが安全です。また、クランプ式・ストラップ式のいずれも、使い始めて1週間ほどは緩みが出やすいので、その時期に一度締まり具合を確認しておくと安定します。

純正と汎用はどう違うか

同じヘッドレストでも、椅子メーカーが自社の機種向けに用意する純正オプションと、どの椅子にも付けられることを狙った汎用品では、判断の仕方が変わります。

対応機種の確認方法

純正オプションは、シリーズ名と型番で対応が決まります。たとえばイトーキ公式オンラインショップのチェアオプション品では、ヘッドレストが固定式と可動式に分かれ、さらにチェアのシリーズごとに選ぶ形になっています。配送区分もお客様取付と明示されており、購入後に自分で取り付ける前提のパーツとして流通していることが分かります。

確認の手順は、まず椅子の座面裏や背もたれ裏のラベルで型番を控え、そのシリーズのオプション一覧に自分の型番が含まれているかを照合します。同じシリーズでも、ハイバックとローバックでフレーム形状が違い、片方にしか付かないことがあるため、シリーズ名だけで判断しないのが安全です。

汎用品の場合は、型番ではなく寸法と形状が条件になります。前の章で測った厚み・幅・フレームの有無を、製品ページの対応条件に当てはめて判断します。

保証と取り付けの扱い

純正オプションは、椅子と同じメーカーが設計しているため、取り付けても椅子側の保証の扱いが明確です。汎用品は、椅子に対して外部から力を加える構造になるので、背もたれのフレームに傷が付いたり、締め付けで変形したりした場合の扱いは椅子メーカーの保証範囲外になるのが一般的です。

保証期間も製品によって差があります。前述の専用設計品は3年保証、ストラップ式の製品は購入日より6カ月の保証と記載されています。長く使う前提なら、保証期間の長さも判断材料になります。

賃貸や会社支給の椅子にヘッドレストを付ける場合は、原状回復できる方式かどうかも見ておきます。ストラップ式やクランプ式は工具で外せば跡が残りにくく、ネジ穴を新たに開ける方式は元に戻せません。

固定式と可動式(メーカー公式の調整範囲)

純正ヘッドレストは、固定式と可動式に分かれることが多く、調整できる範囲がメーカー公式で公表されています。実際に公開されている値を並べると、次のようになります。

メーカー・機種 上下の調整幅(mm) 角度の可動範囲(度)
オカムラ シルフィー(固定・可動ヘッドレスト) 100 35
コクヨ デュオラ2(ヘッドレスト調節機構・上下は6段階) 30

オカムラ シルフィーの製品情報では、固定ヘッドレストと可動ヘッドレストのいずれも高さと角度を調節できるとされ、可動ヘッドレストはハンガー中央部のボタンを押すことで高さを調節でき、そのストロークは120mmと記載されています。コクヨ デュオラ2の製品情報では、ヘッドレスト調節機構として上下ストロークが6段階、角度の可動範囲が30度と公表されています。

ここで見ておきたいのは、純正の上下調整幅がおおむね10cm前後だという点です。汎用のストラップ式で高さ調整が最大4cmと記載されている製品があることを踏まえると、汎用品は純正ほど広い範囲では動かせないものがある、という前提で選ぶ必要があります。座ったときに背もたれの上端から頭頂まで10cm以上の距離があるなら、調整幅の広い製品か、支柱ごと高さを変えられるクランプ式を選ぶほうが合わせやすくなります。

なお、固定式と可動式の違いは、使っている最中に位置を変えられるかどうかです。作業中は前傾姿勢で使わず、休憩のときだけ倒れて頭をあずけるという使い方なら固定式で足ります。姿勢を頻繁に変える人は、その都度合わせられる可動式のほうが向きます。

ヘッドレストの位置と角度の合わせ方

付いただけでは、快適にはなりません。当たる位置がずれていると、かえって首が前に押し出されることもあります。合わせ方には順番があります。

首の付け根に当てるか、後頭部に当てるか

大きく分けて、首の後ろのくぼみを支える当て方と、後頭部を面で受ける当て方があります。首のくぼみを支える当て方は、背すじを起こしたまま作業する姿勢に向きます。後頭部を受ける当て方は、背もたれを倒して休むときに向きます。

前の章で見たとおり、椅子メーカーの純正ヘッドレストは後頭部を支えることを目的に設計されているものが多く、コクヨの製品情報でも後頭部を適切にサポートすることで肩や首への負荷を軽減すると説明されています。まずは後頭部が自然に触れる高さを基準に合わせ、そこから前後・角度を微調整するのが分かりやすい手順です。

リクライニングしたときの当たり方

見落としやすいのが、背もたれを倒したときの当たり方です。直立の姿勢で高さを合わせても、リクライニングすると頭の重心が後ろに移り、ヘッドレストの下端が首に当たるようになることがあります。

合わせる順番としては、いちばんよく使う角度で合わせるのが基本です。作業中に直立で使う時間が長いなら直立で、休憩のときだけ使うならリクライニングした状態で合わせます。両方で使いたい場合は、可動式か、支柱の角度を変えられる方式を選ぶと切り替えられます。

倒したときに後ろの壁やキャビネットにヘッドレストが当たらないかも、あわせて確認しておきます。壁ぎわに椅子を置いている環境では、ヘッドレストの分だけ背もたれが厚くなるので、リクライニングできる角度が浅くなることがあります。

高さが合わないときの調整順序

高さが合わないと感じたら、いきなりヘッドレストを動かすのではなく、次の順序で見直します。

  1. 座面の高さ(足裏が床に着く高さになっているか)
  2. 背もたれの角度(腰が支えられているか)
  3. モニターの高さと目線(頭が前に出ていないか)
  4. ヘッドレストの高さと角度

頭の位置は、座面の高さとモニターの位置で決まります。モニターが低くて視線が下がっていると、頭が前に出て、ヘッドレストにそもそも届かないという状態になります。この場合はヘッドレスト側をいくら動かしても解決しないので、モニターの高さと目線の合わせ方から見直すほうが早く整います。

用途別の選び分け

同じ後付けヘッドレストでも、何のために使うかで向き不向きが変わります。

休憩用(数分あずける)

作業の合間に数分だけ頭をあずけたい、という使い方がもっとも多いパターンです。この用途なら、固定式でも十分に役割を果たします。求められるのは、体重をかけたときに動かない固定力と、後頭部を面で受けられるクッションの広さです。

クランプ式・ストラップ式のどちらでも成立しますが、頻繁に体重をかけるぶん、緩みにくい構造かどうかを重視します。

作業中に使う(前傾姿勢が多い)

キーボードを打っている間もヘッドレストに触れていたい、という使い方は、実はもっとも合わせるのが難しいパターンです。前傾姿勢では頭が前に出るため、ヘッドレストは前方に張り出す位置に来る必要があり、前後の調整幅が広い製品でないと届きません。

前後を調整できる3軸タイプや、支柱の角度を変えられる製品が向きます。逆に、高さだけしか動かない製品では、作業中に当たる位置まで持ってこられないことがあります。

仮眠・深くもたれる

昼休みに深くもたれて休みたい、という用途では、背もたれの角度が倒れることが前提になります。この場合、ヘッドレストには首から後頭部にかけての広い面積を受ける役割が求められます。

クッションの厚みと面積が大きい製品が向きますが、厚みが増すほど作業中の姿勢では頭が前に押し出されやすくなります。仮眠専用と割り切るか、取り外しやすい方式を選んで使い分けるのが現実的です。

付かない椅子の代替案

5項目を測った結果、どの方式も合わないという椅子もあります。その場合の選択肢を整理します。

首枕・ネックピローで代用する

背もたれに固定せず、首に直接掛けるネックピローを使う方法があります。椅子側の条件を一切問わないのが利点で、背もたれがメッシュでフレームも無い椅子、フチが極端に薄い椅子でも使えます。

一方で、頭の重さを椅子に逃がすのではなく首まわりで支える構造なので、長時間の作業中よりも、短い休憩や移動中に向いた道具です。作業中ずっと頭をあずけたいという目的には合いません。

椅子ごと買い替えるかの判断

後付けにこだわらず、ヘッドレスト付きの椅子に買い替えるという選択もあります。判断の分かれ目は次の3点です。

  • 今の椅子の座面・背もたれの調整機能に不満があるか(あるなら買い替えが有利)
  • 後付けで必要な調整幅(上下10cm前後)を満たす製品が見つかるか
  • 賃貸・支給品などで椅子本体に手を加えられない事情があるか

椅子そのものへの不満が座り心地全体に及んでいるなら、ヘッドレストだけを足しても解決しません。在宅ワーク向けオフィスチェアの選び方疲れない椅子の条件を読んでから、後付けと買い替えのどちらに費用をかけるかを決めるほうが納得しやすくなります。背もたれの形が特殊で選択肢が少ない場合は、ゲーミングチェアとオフィスチェアの違いも判断材料になります。

後付けでよくある失敗パターン

最後に、事前に知っていれば避けられる失敗を5つ挙げます。

1. 背もたれの厚みを測らずに買う。 もっとも多い失敗です。クランプ式は挟める厚みの上限が決まっているため、測らずに買うと固定できないことがあります。上端のいちばん厚い部分で測るのが要点です。

2. 幅が足りない。 ストラップ式で起きます。背もたれの最大幅を上端ではなく肩の高さで測っていないと、ハイバックの椅子でベルトが届かないことがあります。

3. メッシュがたわんで安定しない。 メッシュ張りの椅子でメッシュ面そのものを挟むと、頭をあずけたときにテンションが逃げてヘッドレストが後ろに倒れます。上端のフレームを挟めるかどうかが分かれ目です。

4. 高さが足りない。 背もたれの上端から頭頂までの距離に対して、製品の調整幅が不足しているパターンです。座った状態で実測してから、上下の調整幅と突き合わせます。身長が高めの方は特に起きやすく、体格が大きい人のオフィスチェア選びの考え方も参考になります。

5. リクライニングで壁に当たる。 付いたけれど倒せない、という失敗です。ヘッドレストの分だけ背もたれの奥行きが増えるので、椅子の後ろに余裕があるかを事前に見ておきます。机やキーボードの高さが合っていないと前傾が強くなり、そもそもヘッドレストに届かないこともあります。肩まわりが気になるならキーボードで肩が痛くなるときの見直し方もあわせて確認してください。

筆者の判断基準

このサイトで後付けヘッドレストを検討するときは、次の順番で判断しています。

  1. 測った値と製品ページの記載が突き合わせられるかを最優先にする。厚み・幅・調整幅のいずれかが記載されていない製品は、適合を判断できないので候補から外す
  2. 純正オプションがある椅子なら純正を優先する。取り付け方が公式に示され、保証の扱いも明確なため、迷う要素が少ない
  3. 汎用品を選ぶときは固定方式を先に決める。上端が水平で厚みが対応範囲ならクランプ式、湾曲・厚み不足ならストラップ式、という順で絞る
  4. 調整幅は必要量より広いものを選ぶ。ぴったりの製品は、姿勢や椅子の設定を変えたときに合わなくなる
  5. 使う場面をひとつに決める。休憩用・作業中用・仮眠用のどれで使うかを決めずに選ぶと、どの場面でも中途半端になりやすい

逆に、価格の安さやクッションの見た目だけで選ぶことは避けています。適合しない製品は、どれだけ座り心地が良さそうでも使えないためです。

よくある質問

後付けヘッドレストはどんな椅子にも付きますか

いいえ、椅子の背もたれの形状によっては付けられません。背もたれ上端の厚みが製品の対応範囲を超えている場合、背もたれの幅がストラップの対応幅を超えている場合、メッシュ張りでフレームが無い場合は、固定できないか、固定しても安定しないことがあります。この記事の5項目を測ってから選んでください。

純正ヘッドレストはあとから追加できますか

機種によります。メーカーによってはヘッドレストをチェアオプション品として単体で販売しており、シリーズと型番が合えば購入後に取り付けられます。取り付け手順が公式に案内されている機種もあります。一方、本体のバリエーションとしてヘッドレスト付きタイプが用意されている機種では、購入時に選ぶ形になります。自分の椅子の型番を控えて、メーカーの製品情報か販売店に確認するのが確実です。

取り付けに工具は必要ですか

多くの製品で六角レンチを使いますが、付属していることがほとんどです。専用設計の製品では、工具同梱で取り付け時間が約3分と案内されているものもあります。ストラップ式でも、ヘッドレスト本体を支柱に留める段階でボルトと六角レンチを使うことがあります。工具が必要かどうかは製品ページの付属品欄で確認できます。

参照した公式情報(取得日)

いずれも2026年9月10日に確認しました。

首・肩の負担とのつきあい方

後付けヘッドレストは、作業の合間に頭をあずけて首まわりを休ませるための道具です。頭を支えて負担をやわらげる助けにはなりますが、痛みを治すものではありません。つらさが続くときは、姿勢や椅子全体の調整、休憩の取り方など、複数の要素を見直すことが大切です。症状が続く場合は医療機関に相談してください。

厚生労働省のガイドラインが椅子について座面の高さと背もたれを挙げているように、まず土台となる座り方を整え、そのうえでヘッドレストを足す、という順番が理にかなっています。

まとめ

  • チェアのヘッドレストを後付けするときは、座り心地より先に自分の椅子に付くかで選ぶ
  • 見分けるのは5項目。背もたれ上端の厚み・上端の形状・背もたれの幅・張り材がメッシュか布か・フレームの有無と太さ
  • メジャー1本で5分。厚み・幅・上端から頭頂までの距離を測り、製品ページの対応条件と突き合わせる
  • 固定方式はクランプ式・ストラップ式・純正取付穴・差し込み式の4つ。クランプ式は回転に、ストラップ式はずり下がりに弱い
  • 純正はシリーズと型番で決まり、上下の調整幅は10cm前後。汎用品は寸法と形状で決まり、調整幅が狭いものもある
  • 位置合わせは、座面の高さ・背もたれの角度・モニターの高さを整えてから、いちばんよく使う角度でヘッドレストを合わせる
  • どの方式も合わない椅子なら、ネックピローでの代用か、椅子ごとの買い替えを検討する

自分の椅子に合う方式さえ押さえれば、椅子を買い替えなくても、首を休められる環境に近づけます。まずは背もたれを測って、どの方式が合いそうかを確かめるところから始めてみてください。

※価格やスペックは記事作成時点で参照した商品情報にもとづきます。最新の内容は各商品ページでご確認ください。

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