身長180cm以上のデスクの高さ|調節できる机でも足りない

身長180cm以上のデスクの高さ|調節できる机でも足りない デスク環境

本ページはプロモーションが含まれています

背が高い人が机に向かうと、なんとなく肩が上がる。少し前かがみになる。夕方には首の後ろが張っている。

「気のせいかもしれない」で済ませている人が多い部分です。でも、たぶん気のせいではありません。机が低いのです。

身長別のデスクの高さを調べると、一覧表が出てきます。180cmなら75cm、と。そこまでは分かります。

では、市販の机は何cmなのでしょうか。

ここを突き合わせている記事が、見当たりませんでした。なので、この記事で計算して並べます。結論を先に書くと、「高さ調節できる机」を買っても足りないことがあります。

まず、国は高さの数字を決めていない

意外に思われるかもしれませんが、机の高さについて、公的な数値は存在しません。

厚生労働省が「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(基発0712第3号 令和元年7月12日/一部改正 基発1201第7号 令和3年12月1日)という文書を出しています。パソコン作業の環境について国が示している指針です。

そこに、机の高さはこう書かれています。

高さの調整ができない机又は作業台を使用する場合、床からの高さは作業者の体形にあった高さとすること。

「作業者の体形にあった高さ」。これだけです。cmの数字はありません。

なお、この文書は事業者向けの労働衛生管理の指針であって、自宅で働く個人に何かを義務づけるものではありません。ただ、ここから分かることがあります。背が高い人向けの「規格値」は、国のレベルでも存在しないということです。

つまり、誰も決めてくれません。自分で出すしかない。

自分に必要な高さを計算する

出し方はあります。オフィス家具の業界団体が、計算式を公開しています。

JOIFAの計算式

一般社団法人 日本オフィス家具協会(JOIFA)の「安心・安全なイスの選び方」に、こう書かれています。

座面の高さの目安は身長×1/4

差尺:デスク高さ-座面高さ

デスク高さの目安は=座面高+差尺(身長×1/6)

差尺というのは、机の高さと座面の高さの差のことです。ここが合っていないと、肘の角度が狂います。

式にすると、こうなります。

座面の高さ = 身長 × 1/4
差尺    = 身長 × 1/6
机の高さ  = 座面の高さ + 差尺

身長を入れて計算する

この式に身長を入れると、こうなります。

身長 座面の高さ(×1/4) 差尺(×1/6) 机の高さ
180cm 45.0cm 30.0cm 約75cm
185cm 46.3cm 30.8cm 約77cm
190cm 47.5cm 31.7cm 約79cm

※この表は、上の式に身長を入れて計算しただけのものです。JOIFAが身長別の一覧を公表しているわけではありません。

これはあくまで目安です

正直に書いておきます。この式は身長だけで計算しています

しかし実際には、同じ身長でも脚の長さは人によって違います。座高が高めの人と低めの人では、座ったときの肘の位置が変わります。だからこの数字は、出発点として使ってください。

最終的な確認は、肘でします。机に手を置いたとき、肘が直角より深く曲がっていれば机が高いか椅子が低い。伸びぎみなら椅子が高い。計算した数字に合わせたうえで、ここを見ます。

では、市販の机は何cmか

ここからが本題です。180cmの人に必要なのは約75cm。市販の机は、それを満たしているでしょうか。

事務机の標準は72cm

オフィスで使われる平机の高さを見てみます。一般的な事務机は、高さ720mm——つまり72cmです。

180cmの人に必要な75cmに対して、3cm低いことになります。

3cmと聞くと小さく感じますが、この差は肘の角度と肩の位置にそのまま出ます。しかも一日じゅう続きます。

「高さ調節できる机」でも足りないことがある

では、高さが変えられる机を買えばいいのか。ここに落とし穴があります。

たとえば、3段階で高さを変えられるタイプのデスクがあります。よくある構成は、62cm・68cm・74cmの3段階です。

最大が74cmです。

180cmの人に必要な75cmに、1cm届きません。185cmなら3cm、190cmなら5cm足りません。

つまり、「高さ調節できるから大丈夫」ではないのです。調節できても、上限が低ければ意味がありません。

背が高い人が机を選ぶとき、見るべきなのは「高さ調節できるか」ではありません。調節の上限が何cmかです。ここを見ずに「調節式」というだけで買うと、いちばん高くしても足りない、という結果になります。

だから、上限を見て選ぶ

上限に余裕のあるタイプなら、この問題は起きません。

電動で高さを変えられるデスクです。高さの範囲は72〜118cm。幅は100cm・120cm・140cmから選べます。

72〜118cmという範囲なら、180cmで必要な75cmも、190cmで必要な79cmも、余裕をもって収まります。上限が118cmあるので、立って作業したくなったときにもそのまま対応できます。

選ぶときは、この「上限の数字」を先に確認してください。商品名や仕様に「高さ○〜○cm」と書かれているはずです。書かれていない場合は、調節できても幅が狭い可能性があります。

買う前にできること

すぐに買い替えられない場合もあります。できることを挙げておきます。

椅子を下げて差尺を作る、の落とし穴

机が低いなら、椅子を下げれば差尺は合います。計算上はこれで解決します。

ただし、目線が下がります。画面が遠くなり、今度は顔を前に出すことになります。首の問題が別の形で戻ってきます。

逆に椅子を上げるとどうなるか。差尺が縮んで肘が窮屈になり、しかも足が床から浮きます。ここで、さきほどのガイドラインにこう書かれています。

椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。

足が浮いた姿勢は、国の指針が示す基本形から外れます。

つまり、椅子の高さだけで机の低さは吸収できません。どちらかにしわ寄せがいきます。

足台を使う(これも国が想定している)

椅子を上げて足が浮くなら、その足を受ければいい。実は、同じガイドラインにこう書かれています。

また、十分な広さを有し、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること。

足台は、国も想定している方法です。机が低くて椅子を上げざるを得ないなら、足台で受ける。これは応急処置ではなく、正規の手です。

背が高い人の場合、必要な足台の高さも大きくなるので、安定したものを選んでください。

机の脚を上げる

継ぎ足(脚の下に噛ませる部材)で数cm上げる、という方法もあります。3cm足りないだけなら、これで届くこともあります。ただし、ぐらつきが出ると本末転倒なので、天板の重さと脚の形状を見て判断してください。

椅子側でできることの全体

椅子の調整には、高さ以外にも余地があります。ここは別に整理しています。

高さが合っているかの確認

最後に、合っているかどうかの見方をまとめます。

  • 肘が直角より深く曲がっている——机が高いか、椅子が低い
  • 肘が伸びぎみ——椅子が高い
  • 足の裏が床にべったり着いていない——椅子が高すぎるか、足台が要る
  • 画面を見るのに顔が前に出る——目線の高さの問題。机とは別に対処が要る

計算した数字はあくまで出発点です。この4つで確認して、合わなければ数字より体を優先してください。

まとめ|見るのは「調節できるか」ではなく「上限」

  • 国は机の高さに数値を定めていない。「作業者の体形にあった高さ」としか言っていない=高身長向けの規格値は存在しない
  • JOIFAの式で計算すると、180cmで約75cm、185cmで約77cm、190cmで約79cm
  • 事務机の標準は72cm。3段階調節デスクでも最大74cmどちらも180cmには届かない
  • だから選ぶときは「調節できるか」ではなく、調節の上限が何cmかを見る

背が高いことは変えられません。でも、机の高さは変えられます。「なんとなく低い気がする」を10年続ける前に、一度メジャーを当ててみてください。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました