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在宅ワークをしていると、気づけば机の上が書類やガジェットであふれて、「片付けたいのに、どこから手をつければいいか分からない」という状態になりますよね。収納アイデアを調べて便利そうなグッズを買っても、なぜか片付いた実感がわかない――そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
デスク周りの片付けがうまくいきにくい原因のひとつは、収納グッズから入ってしまうことにあります。この記事では、収納グッズを買う前に決めておきたい片付けの方法を5つの順番で整理し、どこから手をつけるかを症状別に選べる表もまとめました。作業環境全体の見直しは在宅ワーク環境を快適にする方法もどうぞ。
デスク周りが片付かない原因は「収納グッズから入る」こと
多くの人は「収納が足りないから散らかる」と考えて、まず収納グッズを探します。ですが、何をどこに置くかが決まっていない状態で入れ物を増やすと、中身の分類も決まらないため、「とりあえず入れる箱」が机の上に並びます。収納グッズが悪いのではなく、使う場面が決まっていない状態で買うと効きにくいということです。
片付けの5つの順番(全体像)
- 分ける:全部出して「よく使う/たまに使う/使っていない」に分ける
- 定位置:使用頻度で「戻す場所」を決める
- 足す:足りないと分かった一点だけを収納グッズで補う
- 配線:ケーブル類を整える
- 仕組み:散らからない状態を保つ流れを作る
グッズ選び(3)は真ん中で、しかも「足りない分だけ」。この位置関係が結果を大きく左右します。
【状況別】どこから手をつけるか
頭から順にやるのが基本ですが、散らかり方によっては入口を変えたほうが早く効きます。
| 今の状態 | 主な原因 | まず着手する手順 |
|---|---|---|
| 机の上に物があふれている | 物の量と定位置の両方 | 手順①「分ける」 |
| 物は少ないのに雑然として見える | ケーブル類 | 手順④「配線」 |
| 片付けてもすぐ元に戻る | 戻す動線が作れていない | 手順⑤「仕組み」 |
| 引き出しが閉まらない・中が探せない | 段ごとの役割が未定 | 手順①→② |
| 紙・郵便物がたまっていく | 紙の分類ルールが無い | 「書類・郵便物」の章 |
| まとまった時間が取れない | 作業単位が大きすぎる | 手順①を範囲で区切る |
手順①:まず全部出して「分ける」
最初のステップは、机の上と引き出しをいったん全部空にすることです。並べ替えるのではなく、一度リセットするのがコツです。出したものは「よく使う/たまに使う/使っていない」の3つに分けます。使っていないものを机の周りから外に出すだけで、置く場所の取り合いが一気に減ります。
迷うものは保留箱へ。ただし期限と上限を決める
判断に迷うものは「保留」の箱を作って構いません。ただし期限(たとえば1か月後)と箱の大きさの上限を先に決めるのが条件です。期限と上限が無い保留箱は、中身を見直さないまま物置になります。箱があふれたら、期限を待たずに見直す合図です。
時間が取れない日は「引き出し1段だけ」で区切る
物量が多いと、全部出す作業そのものが重くなります。その場合は「今日は引き出しの一番上の段だけ」と範囲を区切ってください。一度に終わらせるより、区切った範囲を分ける→定位置まで通すほうが途中で止まりにくくなります。
手順②:使用頻度で「定位置」を決める
分け終えたら、それぞれの定位置(戻す場所)を、使う頻度でランクを分けて決めます。
- 一等地:座ったまま手が届く範囲。毎日使うもの
- 二等地:立たずに体をひねれば届く範囲。週に数回使うもの
- 机の外:月に数回以下のもの。机の上に置き場所を作らず、使うときだけ持ってくる
大事なのは、しまう場所ではなく戻す場所を決めるという発想です。戻す場所が決まっていれば、使った後に自然と元に戻ります。定位置の作り方はデスクを散らかさない定位置の作り方で解説しています。
戻すのに何動作かかるかで判定する
定位置がうまくいくかは、戻すときの動作数でおおよそ判定できます。
| 動作数 | 例 | 向いているもの |
|---|---|---|
| 1動作 | 手を伸ばして置くだけ | 毎日使うもの |
| 2動作 | フタを開ける/引き出しを引いて入れる | 週に数回のもの |
| 3動作以上 | 立つ・別の部屋へ行く・箱から出して入れる | 月に数回以下のもの |
毎日使うものの定位置が3動作かかる場所にあると、戻すのが面倒で机の上に置きっぱなしになります。散らかる場所が決まっているなら、その物の定位置の動作数を減らせないかを疑ってください。
引き出しは段ごとに役割を決める
引き出しも一度空にしてから、段ごとに入れるものの役割を決めます。浅い段は文具や小物、深い段は書類やケーブル類、というように固定すると探す時間が短くなります。文具の入れ物は、容量や見た目より先に「何を入れるか」を決めてから選ぶと失敗しにくくなります(→卓上文具収納・ペン立ての選び方)。
手順③:しまう場所を足す(グッズは最後)
定位置を決めてみると、「ここに収納が足りない」という箇所が具体的に見えてきます。収納グッズを検討するのはこの段階からです。足りないと分かった一点を補うために選ぶと、無駄な買い物になりません。
机の上が狭いなら、机の下や横のデッドスペースを使う手があります。キャスター付きのワゴンは、使う頻度が中くらいのものの置き場所として便利です(→デスクサイドワゴンの選び方)。引き出しが無い机なら、天板の裏に後付けする方法もあります(→デスク下に引き出しを後付けする選び方)。
ただし、収納を足すときに机そのものに必要な広さを削らないことが前提です。厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」のパンフレットでは、机や作業台は機器と書類を置ける広さを、机の下は脚が動かせるような広さを、という考え方が示されています。デッドスペースを使うといっても、足が動かせなくなるほど机の下を埋めてしまうと、片付いた代わりに作業のしやすさが犠牲になります。置き場所を足す前に、机の上と机の下に残しておく空きを先に決めておくと、入れすぎを防げます。
見せる収納と隠す収納を使い分ける
収納は「見せる(オープン棚・ペン立てなど)」と「隠す(フタ付き・引き出し)」に分かれます。取り出す回数が多いものほど見せる収納、視界に入ると気が散るものほど隠す収納が向きます。全部を隠すと戻す動作が増え、全部を見せると視覚的な情報量が増えるので、頻度で分けるのが現実的です。なお、散らかる原因がメモや付箋なら、グッズより先に管理の仕方を見直すほうが早く解決します(→デスク周りのメモ・付箋の管理方法)。
書類・郵便物のたまり方を止める
在宅ワークの机で見落とされやすいのが紙です。郵便物や印刷した資料が少しずつ積み上がり、気づくと机の一角を占領します。1枚が薄いぶん、たまるまで問題として認識されにくいのが厄介なところです。紙は次の3つで分けると迷いにくくなります。
- 仕掛かり:いま進行中の用事に必要な紙。1件ごとにクリアホルダーへまとめ、机の上の定位置に立てて置く
- 保管:期限まで取っておく紙。机の上ではなく引き出しや別の場所へ
- 捨てる:DM・チラシ・用済みの控え。届いた時点で判断するのが基本
保管する紙は、いつまで持つかを決めて、その場に書いておくと見直しやすくなります。ホルダーの見出しに「〜まで保管」と書いておけば、年度末などにまとめて処分を判断できます。また、同じ内容を紙とデータの両方で持つと探す場所が二重になるため、どちらか一方に寄せるのが原則です(→紙のメモや付箋をなくす方法/USBメモリの選び方)。
手順④:配線・ケーブルを整える
物の定位置が決まっても、机が雑然として見える大きな原因が残っています。ケーブル類です。充電ケーブルや電源タップ、モニターのコードが絡まっていると、それだけで散らかった印象になります。配線は「見えないところにまとめる」「使う長さに合わせる」だけでも見た目が変わり、掃除もしやすくなります(→デスク周りの配線整理の方法)。
隠す前に、本数そのものを減らせないかを先に考えると片付けが楽になります。機器ごとに充電器を用意していると、その数だけケーブルが机の周りに増えます(→在宅デスクの充電器を1台にまとめる方法)。
使わないと決めたモノの出口を決める
「使っていない」に分けたものは、机の外に出しただけでは別の場所に移動しただけです。出口(処分・譲渡・保管場所)まで決めて、はじめて片付けが完了します。
古い充電器や使わなくなった周辺機器、余ったケーブル類は、自治体や回収ボックスで小型家電として回収される場合があります。回収の方法や対象品目は市町村によって異なるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。制度そのものの概要は、環境省の小型家電リサイクル法のページにまとまっています。住所や口座などの情報が載った紙は、裁断するなど中身が見えない形にしてから処分します。
保留箱が減らない原因の多くは、迷っているからではなく捨て方・出し方が分からないからです。処分方法が分からない物が1つでも入っていると、箱ごと判断が止まります。調べる日を決めて、それまでは別の袋に分けておくと箱が動きます。
手順⑤:散らからない「仕組み」にする
最後は、片付いた状態を保つ仕組みです。リセットの粒度を分けておくと、「今日は何をすればいいか」で迷わなくなります。
- 毎日:机の上の物を定位置に戻す(1〜2分)
- 週1回:引き出しの中と、たまった紙を見直す(5〜10分)
- 月1回:保留箱の期限チェックと、使わないと決めた物の処分(15分程度)
毎日の時間を長く取ろうとすると続かないので、短く固定するのがコツです。あわせて「新しく机に置くものを増やしたら何か一つ外に出す」というゆるいルールを決めておくと、物量が一定に保たれます。
在宅は「仕事の物」と「生活の物」の境界を決める
在宅ワークの机が会社の自席と違うのは、生活の物が同じ面に乗ってくることです。飲みかけのカップ、家族の郵便物、充電中のスマホなどが自然に集まります。物を減らすより、「机の上は仕事の物だけ」「生活の物はこのトレーに置く」といった境界を1つ決めるほうが現実的です。境界があると片付ける対象がはっきりし、戻す判断が速くなります。
筆者の判断基準:順番を崩していいのはどんなときか
このサイトが収納グッズの検討を手順③に置いているのは、定位置が決まる前に買った入れ物は、後から役割が変わって使わなくなりやすいためです。ただし、次の場合は順番を前後させて構わないと考えています。
- 手順④(配線)を先に:物の量は多くないのに雑然として見えるとき。見た目の改善につながりやすい
- 手順③を先に:分ける作業の一時置き場が無いとき。仮置き用の箱を1つだけ先に用意する
- 手順⑤を先に:一度片付けたのにまた戻ってしまったとき。原因は物の量ではなく動線にある
逆に、手順①を飛ばして手順②から始めるのは勧めません。使っていない物を含めたまま定位置を決めると置き場所が足りなくなり、結局グッズを買う方向に戻るためです。
よくある質問
収納グッズを先に買ってしまいました。無駄になりますか?
無駄になるとは限りません。手順①②を済ませてから、手元のグッズが「足りないと分かった一点」に使えるかを当てはめてみてください。合わなければ、机の外で役割を持たせるほうがすっきりします。
家族と共有の机です。自分の物だけ片付けても意味はありますか?
意味はありますが、先に面(エリア)の境界を決めるほうが先決です。「この範囲は自分の作業用」と決めてから、その範囲で手順①〜⑤を回してください。範囲を決めずに全体を片付けると、他の人の物の置き場所が決まらず元に戻りやすくなります。
どのくらいの頻度でやり直せばいいですか?
全部出すところからのやり直しは、使う道具や仕事の内容が変わったときが目安です。日常は「毎日・週1・月1」の3層で維持できます。維持しているのに散らかる場合は、頻度ではなく定位置の動作数(手順②)を見直してください。
参照した公式情報(取得日: 2026-09-02)
- 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(パンフレット)|厚生労働省(2026-09-02 取得)
- 小型家電リサイクル法 〜法律の概要・関係法令〜|環境省(2026-09-02 取得)
まとめ:グッズを買う前に順番を決める
- ①分ける:迷うものは期限つきの保留箱へ
- ②定位置:戻す動作は少ないほど続く → 定位置の作り方
- ③グッズは最後:足りない一点だけ補う → サイドワゴン/引き出しの後付け/ペン立て・卓上収納
- 紙:仕掛かり/保管/捨てるで分け、保管には期限を書く → メモ・付箋の管理
- ④配線:整える前に本数を減らす → 配線整理/充電器を1台にまとめる
- ⑤仕組み化:毎日・週1・月1の3層でリセットする
まずは全部出して分けるところから。順番で進めれば、収納グッズ選びで迷うことも減ります。環境全体の見直しは在宅ワーク環境を快適にする方法もどうぞ。


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