モニターアームでデュアル(2画面)にするなら|1本か2本かは机が決める

モニターアームでデュアル(2画面)にするなら|1本か2本かは机が決める PC・周辺機器

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モニターを2枚に増やしたい、置き場所を考えるとアームで浮かせるしかない――そこまでは決まったのに、商品一覧を開いたところで手が止まっていませんか。1本の支柱に2つのアームが付いたデュアルタイプと、1画面用のアームを2本そろえる方法。どちらも結果は2画面になるのに、どちらが自分に向いているかは商品ページには書かれていません。

先に結論をお伝えします。この分かれ道は、モニターの側ではなく机の側で決まります。挟める場所がいくつあるか、天板が何mm厚か、奥行きが何cm残るか、そして2画面の中央を体の正面に置けるか。この4つを見れば、構成はほとんど自動的に決まります。

この記事では、その4条件だけに絞って「アームは1本か2本か」を決めます。単体のアームそのものの選び方(可動方式・耐荷重の見方)はモニターアームの選び方に、そもそも2画面にすべきかどうかはモニターは1枚と2枚どちらがいいかにまとめています。取り付け作業そのものの手順は、この記事では扱いません。

デュアルアーム1本と、単アーム2本は何が違うのか

まず、比べている2つが構造的に何をしているのかを整理します。

デュアルアーム(1本で2画面)は、1つの土台と1本の支柱を2つのアームで共有する構造です。机に固定する箇所は1か所で済み、2画面の高さの基準も支柱1本で共通になります。一方で左右の位置関係は支柱を軸に決まるため、画面同士を大きく離す、片方だけ前へ大きく出すといった配置は、支柱からの可動範囲の中でしかできません。

単アーム2本(1画面用を2つ)は、独立した2組の土台とアームを机に取り付ける方法です。固定箇所は2か所必要になりますが、そのぶん2画面をまったく別々に扱えます。左右で高さを変える、片方を縦向きにして机の端に寄せる、将来モニターを1枚だけ買い替えて重さが変わってもアームは片方だけ入れ替える、といった動き方ができます。

どちらが優れているという話ではありません。共有すると取り付け箇所が減り、独立させると自由度が増えるという、素直なトレードオフです。だからこそ、机に取り付け箇所がいくつ取れるかという物理的な事実が、そのまま答えになります。

条件①:クランプできる場所が、机に1か所あるか2か所あるか

最初に数えるのは、天板の縁のうち、実際にクランプで挟める場所がいくつあるかです。ここが1か所しか取れないなら、その時点でデュアルアーム1本に決まります。

机の縁は、見た目ほど自由ではありません。次のような場所は、挟めない・挟みたくない場所です。

  • 引き出しやキーボードスライダーが付いている範囲(挟むと開閉できなくなる)
  • 天板の裏に補強の桟が通っている範囲(クランプの受け側が天板に密着しない)
  • 脚やフレームが天板の縁まで来ている範囲
  • 壁にぴったり寄せていて、奥側の縁に手が入らない場合

これらを除いたうえで、アーム1台ぶんの幅が確保できる場所を数えます。2か所取れれば単アーム2本も選択肢に入り、1か所しか残らなければ支柱を共有するデュアルタイプが現実解です。奥行きの浅い机や壁付けの机では、この時点で1か所しか残らないことがよくあります。机そのものの寸法から見直したい場合はデスクの奥行きは何cm必要かもあわせてご覧ください。

支柱を共有するタイプの一例を挙げます。ポール(支柱)に2本のアームを取り付けて横並びの2画面にするもので、対応サイズは30インチまで、耐荷重は各10.0kg・合計20.0kg、VESA規格は100mm/75mmと記載されています。画面の前後移動にも対応する4軸タイプで、片方だけを縦画面にする使い方も挙げられています。これが最適解という意味ではなく、「取り付け1か所で2画面」という構成がどういう仕様で提供されるかの見本としてご覧ください。

条件②:天板の厚みと、2画面ぶんの荷重

次に測るのは天板の厚みです。アームは天板を挟んで固定するため、製品ごとに「取り付けられる天板の厚さ」の範囲があらかじめ決まっています。ここが合っていないと、他のスペックがどれだけ合っていても付きません。

厚みの範囲は製品によって異なります。たとえばこの記事で挙げるタイプにも、取り付け可能なデスクの厚さが10〜80mmと記載されているものと、天板厚み20〜100mmと記載されているものがあります。薄すぎる天板は下限に、厚い天板は上限に引っかかるので、手元の天板の厚みをmm単位で測ってから範囲を見比べてください。ガラス天板や、天板の縁だけ薄くなっている形状は、そもそも挟む前提になっていないことがあります。

荷重の見方も、1画面のときとは変わります。デュアルアーム1本の場合、2台ぶんの重さが1か所のクランプに集まります。耐荷重の表記も、アーム1本あたりで書かれているのか、合計で書かれているのかを読み分ける必要があります。先ほどのポールタイプは各10.0kg・合計20.0kgと両方が明記されており、この書き方なら手元のモニター2台の重量を合計してそのまま比較できます。

単アーム2本にすると、荷重は2か所に分かれます。天板が薄い、あるいは中が空洞の量産デスクで2台ぶんを1点に集中させたくない場合、これは実利のある理由になります。

シングルとデュアルを選べるタイプの一例です。対応サイズは約13〜32インチ、対応重量は約2〜9kg、VESA規格は75×75mmと100×100mm、取り付け可能なデスクは厚さ10〜80mmと記載されています。クランプ式とグロメット式の両方に対応し、可動範囲はチルトが上90度・下45度、左右のパンが各90度、回転が360度と公表されています。同じ仕様のまま構成だけを選べるので、1本にするか2本にするかを他の条件を揃えて比べたいときの目安になります。

なお、載せるモニターのサイズそのものを決めかねている場合は、モニターは何インチが使いやすいかを先に読むと、耐荷重の見積もりも早くなります。

条件③:天板の奥行きと、後ろ側のクリアランス

3つめは奥行きです。アームは机の奥の縁に取り付けることが多いため、天板の奥行きは3つに分け合われます。

  • クランプと支柱が占める奥行き(製品側が要求する取り付けスペース)
  • 画面から目までの距離
  • 手前に残る作業スペース

取り付けスペースは製品仕様に書かれています。たとえば上下2画面のタイプでは、天板厚み20〜100mmに加えて、奥行きが約80mm確保できるデスクであることが条件として挙げられています。つまり、天板の奥の縁から手前におよそ8cmは、取り付けのための場所として見込んでおく必要があるということです。

目までの距離には公的な目安があります。厚生労働省の情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインでは、おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにすることとされ、ディスプレイは画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さが望ましいとされています。

ここで注意したいのが、アームの利点として語られる「画面を後ろに下げられる」という話です。壁付けの机では、後ろに下げるぶんの隙間が壁との間に無いことがあります。逆に言えば、壁から数cm離して机を置けるかどうかが、2画面を無理なく正面に配置できるかを左右します。奥行きが足りないまま2画面を横に並べると、視距離を確保しようとして体を引き、キーボードとの距離が破綻します。高さと目線の関係はモニターの高さと目線の合わせ方でも扱っています。

条件④:2画面の「中央」を自分の正面に置けるか

最後が、意外と見落とされる配置の話です。1画面なら画面の中央が体の正面に来ますが、2画面を左右対称に並べると、体の正面に来るのは画面ではなく2枚の境目になります。ずっと正面を見ていられなくなるのは、この構造のせいです。

配置の取り方は、おおむね3通りです。

  1. 左右対称:作業内容が2画面にまたがる人向け。境目が正面に来るので、首を左右に振る前提になります。3通りの中では、机の幅をいちばん要求する置き方です
  2. メイン+サブ(オフセット):メイン画面を体の正面に置き、もう1枚を脇に寄せて角度を付ける方法。多くの机ではこれが収まりやすく、必要な幅も左右対称より小さくて済みます
  3. 上下(縦積み):机の幅が足りないときの選択肢。下段を正面に置き、上段は参照用に回します。幅の代わりに、高さ方向の余裕と支柱の強度が要ります

デュアルアーム1本を選ぶときは、その製品が横並び用なのか上下用なのかを先に確認してください。同じ「2画面対応」でも、支柱の設計が別物です。上下2画面のタイプの一例では、耐荷重はアーム1本につき10kg、対応モニターはVESA規格75×75mmまたは100×100mmのネジ穴を持つもの、対応サイズは30型まで、取り付け対応デスクは天板厚み20〜100mmで奥行き約80mmが確保できるもの、と記載されています。支柱にケーブルを収納できる点も挙げられています。

メイン+サブのオフセット配置をしたい場合は、左右のアームを独立して動かせる単アーム2本のほうが素直に決まることが多くなります。ここでも、構成の選択は「どう置きたいか」から逆算されます。

4つの条件を通すと、構成はだいたい決まる

ここまでの4条件を、判定表にまとめます。上から順に当てはめてください。

机の条件 向いている構成
挟める場所が1か所しか取れない デュアルアーム1本
挟める場所が2か所取れて、メイン+サブに寄せたい 単アーム2本
天板が薄い・中が空洞で、荷重を1点に集めたくない 単アーム2本
天板の厚みが製品の対応範囲から外れる 構成以前に製品を選び直す(据え置きスタンドの継続も検討)
奥行きが足りず、視距離を確保できない 上下配置のデュアル、または画面サイズから見直す
机の幅が足りない 上下配置のデュアル
将来モニターを片方だけ買い替える予定がある 単アーム2本

表の右側が割れた場合は、取り付け箇所の数(条件①)を優先してください。そこだけは物理的に動かせない条件で、あとの3つは配置や機種選びで調整の余地があるからです。

構成が決まったら、そこから先は1台ぶんのアームを選ぶ話に戻ります。可動方式や耐荷重の読み方はモニターアームの選び方にまとめています。

それでも机に収まらないときの逃げ道

4条件を当てはめて「どれも厳しい」となった場合、選択肢は2画面の外にもあります。

画面を1枚にして広くする:横に長い1枚なら、アームの取り付けは1か所で済み、境目も生まれません。ベゼルをまたぐストレスが無いぶん、文章や表を横に広げる作業とは相性が良い方向です。→ ウルトラワイドモニターの選び方

2画面が本当に要るかを戻って考える:作業の種類によっては、1枚を大きくするほうが効く場合があります。→ モニターは1枚と2枚どちらがいいか

机を替える:奥行きと天板の厚みは、アーム側では変えられない条件です。今後デスクを見直す予定があるなら、アームを付ける前提で奥行きを選んでおくと後が楽になります。→ デスクの奥行きは何cm必要か

まとめ:測るのはモニターではなく机

モニターアームでデュアル環境を作るとき、比較すべきなのは製品同士ではなく、自分の机が何を許すかです。

  • ①クランプできる場所の数:1か所ならデュアル1本、2か所取れれば単アーム2本も選べる
  • ②天板の厚みと荷重:厚みはmmで測り、製品の対応範囲と照合。荷重は2台の合計で見る
  • ③奥行きと後方の余白:取り付けに要る奥行き+視距離(おおむね40cm以上)+手前の作業スペース
  • ④画面の中央の置き方:左右対称・メイン+サブ・上下のどれにするかで、必要な幅と支柱の型が変わる

メジャーを1本用意して、天板の厚み・奥行き・挟める場所の幅を測るところから始めてください。製品ページを何十枚見るより、その5分のほうが早く候補を絞ってくれます。

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